JICAのビジョン

JICAのビジョン

新JICAは新たなビジョンを発表しました。このビジョンの実現に向けて、4つの「戦略」によって、4つの「使命」を果たしていきます。また、それらを遂行する上での「活動指針」を定めました。

ビジョン【VISION】 すべての人々が恩恵を受ける、ダイナミックな開発を進めます

使命[MISSION]1

グローバル化に伴う課題への対応

グローバル化の進展は、経済発展を促し、人々に新たな機会をもたらすというプラスの側面がある一方、富の偏在化や国境を越えた気候変動、感染症、テロ、経済危機の拡大といったマイナスの側面があります。それらは、世界の資源に依存する日本を含む国際社会の安定と繁栄を脅かし、開発途上国ではより深刻な脅威となっています。新JICAは、グローバル化に伴って途上国が直面する多様な課題の解決に、日本の経験や技術も活用しながら、国際社会と連携して総合的に取り組みます。

使命[MISSION]2

公正な成長と貧困削減

開発途上国の貧困層は、経済危機や紛争、災害などの影響に脆弱で、貧困が悪化するリスクにさらされています。また、貧富の格差の拡大は、社会の不安定要因になっています。人々が貧困から抜け出し、健康で文化的な生活を営めるようになることは途上国の発展のみならず、国際社会の安定にも不可欠です。貧困削減のためには、貧困層に配慮した公正な成長を通じた雇用機会の拡大や教育・保健などの公共サービスの強化が必要です。新JICAは、途上国の人材育成・能力開発、政策・制度の改善、社会・経済インフラの整備を支援し、公正な成長とそれを通じた持続的な貧困削減を図ります。

使命[MISSION]3

ガバナンスの改善

国家のガバナンスとは、その資源を効率的かつ国民の意思を反映できる形で、投入・配分・管理できるような社会のあり方を意味し、その改善は途上国の安定的な発展に重要です。しかし途上国では法・司法制度や行政機構が脆弱(ぜいじゃく)なため、限定的な住民参加や不十分な行政サービスの提供などの問題を抱えています。新JICAは、国としての基本的な制度の改善と、人々のニーズに基づいて公共サービスを効果的に提供する制度の改善、それらの制度を適切に運用するための組織づくり・人材育成を支援します。

使命[MISSION]4

人間の安全保障の実現

グローバル化の進展によって、国境を越えたさまざまな脅威が増大し、途上国の多くの人が内戦、災害、貧困といった人道上の脅威にさらされています。「人間の安全保障」とは、ひとり一人の人間を中心に据えて、紛争、テロ、災害、環境破壊、感染症などの「恐怖」や、貧困、社会サービス・基礎インフラの欠如といった「欠乏」の脅威から保護し、自ら対処する能力を強化することで、尊厳ある生命を全うできる社会づくりを目指す考え方です。新JICAは、社会的に弱い立場にある人々をさまざまな脅威から保護するために、社会・組織の能力強化と、人々自身の脅威に対処する力の向上を支援します。

戦略1 包括的な支援

新JICAは、技術協力・有償資金協力・無償資金協力という3つの援助手法を一体的に運用して、途上国の政策・制度の改善、人材育成と能力開発、インフラ整備を、有機的に組み合わせた総合的な支援を行います。また、複数の国にまたがる地域横断的な課題や、複数の分野にまたがる課題に、多様な援助手法と拡大した事業規模を生かして取り組みます。こうした包括的な支援を通じて、質と規模の両面で、より開発効果の高い国際協力を追求します。

戦略2 連続的な支援

新JICAは、多様な援助手法を組み合わせ、武力紛争や災害の予防から、発生後の緊急支援、早期の復興に向けた支援、そして中長期的な開発支援まで、継ぎ目のない連続的な支援を展開します。
また、開発途上国には、貧困層が多数を占める最貧国から、成長の軌道に乗りつつも格差拡大に悩む中進国まで、発展段階の異なる国があります。新JICAは各国の発展段階に合わせた適切な支援を行うとともに、将来にわたって持続的に発展していけるよう長期的な視点で連続した支援を展開します。

戦略3 開発パートナーシップの推進

新JICAは開発途上国の最良のパートナーとなることを目指し、「現場」を重視して変化するニーズを的確に把握し、「成果」を重視して迅速かつ効果的に相手国の自助努力を後押しします。また、地方自治体、大学、NGO、民間企業などとの連携や、青年海外協力隊・シニア海外ボランティアなどへの参加を促進します。さらに、国際協力のプレーヤーが増加し、途上国への支援が多様化している国際社会において、長年にわたる経験を持つ世界最大規模の援助機関としての責任を果たすべく、国際機関やほかの援助機関との連携を推進し、開発協力の枠組みづくりを主導します。

戦略4 研究機能と対外発信の強化

開発途上国の開発課題をめぐる国際潮流は、グローバル化の進展や国際協力の新たなアクターの台頭などの状況の中で、大きく変化しています。新JICAは「JICA研究所」を設立し、事業の現場で得てきた知見を生かしつつ、内外の学識者との幅広い連携を図り、日本のみならず世界の国際協力に新しい知的価値を提供し、新たな開発潮流を主導すべく、研究機能と発信力を強化します。また、地域担当部や課題担当部でも援助実務を踏まえた調査・研究を積極的に展開します。

活動指針

1)統合効果の発揮
多様な援助手法を有機的に組み合わせることにより、「援助の迅速な実施(Speed-up)」「援助効果の拡大(Scale-up)」「援助の普及・展開(Spread-out)」という統合効果を発揮します。
2)現場主義を通じて複雑・困難な課題に機動的に対応
開発途上国の人々の目線でニーズを的確に把握し、現場中心の事業展開を図ることによって、複雑・困難な開発課題に機動的に対応します。
3)専門性の涵養と発揮
国際協力の専門集団として、現場から得られた経験や知見を生かした専門性と発信力を発揮して、多様な開発課題に迅速かつ的確に対応します。
4)効率的かつ透明性の高い業務運営
効率的で透明性の高い業務の運営と評価を通じて、不断の自己革新と合理化に取り組み、説明責任を果たします。

シンボルデザインについて

2008年10月1日、JICAは日本の国際協力を包括的に実施する機関として新たなスタートを切り、これを機に、新たな体制と組織文化の創造のために、シンボルデザインを改定しました。

新しいシンボルデザインは、JICAをとりまく多様な関係者に新しいJICAの組織理念・画期性・信頼感をお伝えするべく、従来のデザインも活かしながら、新たな要素を盛り込んでいます。

新JICAロゴ

シンボルデザインのコンセプト

新しいJICAのシンボルデザインは、「人」「地球=世界」をテーマとした以前のシンボルデザインに、新たに「円弧」のモチーフを追加したものです。円弧のモチーフはJICAロゴに始まりJICAロゴに戻ることで、組織の活発な動きと共に、「循環型社会」「持続可能な開発と発展」そして、「日本の国際協力、国際貢献が日本社会への貢献にもつながること」などを表現しています。

また、新たに「i」に架かる円を赤い色とし、「地球=世界」にあわせて「日本」をイメージできるようにしました。モチーフのグラデーションは、新しいJICAが「技術協力」「有償資金協力」「無償資金協力」の3つのスキームを融合させながら、総合的・戦略的に展開・発展する「ALL JAPAN」の援助機関であることを示しています。3つのスキームの有機的な統合は円弧のモチーフが3つの側面を見せて運動するデザインでも表現されています。

これまでのJICAシンボルデザインの、「人間的なやさしさ(jとiは人が寄り添う姿)」「地域との連携、人と人との連携(2つの円の重なり合い、共鳴)」という理念を活かしながら、よりスピード感のあるダイナミックな新しいJICAを象徴するデザインです。