4.ODAのアクターについて

Q10.ODAは誰が実施しているのでしょうか?

開発途上国で行われるODAには、さまざまな組織や団体、機関などがかかわっています。内閣に設置されている海外経済協力会議、外務省や財務省、経済産業省などの関係省庁、国際協力機構(JICA)といったODA実施機関のほか、企業、NGO、大学、地方自治体などが関係しています。
こうしたODAに関係するさまざまな主体は、“ODAのアクター”と呼ばれています。

Q11.それぞれのアクターの役割は?

【画像】まず、ODAの目的や理念といったことも含めた「戦略」的な機能を担っているのが政府です。具体的には、内閣に「海外経済協力会議」が設置されており、ここでODAの戦略が議論されています。この戦略に沿った形で外務省が主体となって国や地域、分野ごとにODAの政策を企画・立案しています。「国別援助計画」などの計画をまとめることも外務省の重要な役割の一つです。
この計画を具体的なプロジェクトに反映させ、実際に途上国で行っていくのが実施機関であるJICAです。また、こうしたODAの現場では、ODA事業を請け負う開発コンサルタントと呼ばれる企業を始め、NGO、大学など、民間セクターに分類されるアクターが活躍しています。途上国が抱える問題も多様化・高度化するなかで、こうした民間セクターの協力はODAを実施する上で不可欠と言えます。
ODAの戦略を担う「海外経済協力会議」、企画・立案を担う外務省を中心とする「関係省庁」、実施を担う「実施機関」や「民間」などをあわせて、“ODAの四層構造”と説明されることもあります。

Q12.新JICAの特徴とは?

2008年の10月に、それまで技術協力等を実施していたJICAは、国際協力銀行(JBIC)から有償資金協力を、外務省から無償資金協力の一部をそれぞれ受け継いで、新JICAとしてスタートしました。つまり新JICAは、「技術協力」、「有償資金協力(円借款)」、「無償資金協力」という3つの援助ツールを一元的に実施できるようになったのです。この3つのツールを組み合わせていくことで、途上国のニーズに対応したより効果的・効率的な援助ができるようになりました。

関連リンク