JICAの取り組み

JICAの基本方針

JICAは、長年にわたり、ジェンダーの視点を組み入れた援助を実施するために、基本方針や重点課題の検討を重ねるとともに、組織的にジェンダー主流化を推進する体制を構築してきました。

実際の援助でも、ジェンダー平等な政策・制度の構築や実施促進のための組織能力強化に向けた支援をカンボジアやナイジェリア、ネパールなどで行っています。また、女性のエンパワーメントを推進するため、さまざまな国で女子教育や母子保健、女性の起業家支援など、多岐にわたる支援を行っています。

さらに、その他多様な分野においても、事業を通じて達成すべき成果や活動のなかにジェンダー平等の視点を反映した事業を実施してきています。

ケニアでの小規模園芸農家への支援では、女性が農業生産活動に果たす役割に着目し、各種活動に女性の参加を確保し、男女双方へのジェンダー啓発活動を行いました。その結果、農家の夫婦関係が、経営者と労働者という関係性から、対等な経営パートナーへと変容が促され、農家所得の向上という事業成果に貢献したことが確認されました。アフガニスタンやミンダナオ、スーダンなど紛争影響地域における事業では、男性配偶者を紛争中に失った女性を優先的な雇用対象としたり、女性を対象とした職業訓練を実施したりするなど、女性の生計向上にも積極的に取り組んでいます。

近年の課題に、人身取引(トラフィッキング)をはじめとする女性に対する暴力があります。人身取引は、被害者(女性と子どもが多いが、成人男性も含まれる)に深刻な精神的・肉体的苦痛をもたらす重大な人権侵害であり、人道的な観点からも、迅速かつ的確な対応が求められています。JICAは人身取引対策に関わる組織や人材の能力強化を支援するため、2009年からタイでプロジェクトを開始し、2012年からはタイでの経験を踏まえ、周辺国でも体制を強化するため、ミャンマー、ベトナムでも事業を開始しました。