貧困削減

貧困削減

貧困は、日本がODAの理念として掲げる「人間の安全保障」の観点からも、看過できない課題です。1日1.25ドル未満で生活する貧困層の数は、世界で12億人と推定されています。

また、自然災害や環境破壊などによって伝統的な生計手段を続けていくことが困難になり、貧困に転落しやすい脆弱な人々がいます。病気や失業、教育の低さ、社会的差別といった問題は、それぞれが影響し合います。ひとたびその悪循環に陥ってしまうと、貧困から脱却するのは困難になります。これは「窮乏化のわな」と呼ばれ、貧困削減に取り組む際の大きな課題となっています。貧困や脆弱性を放置しておくことは、貧富の格差の拡大や生活資源の争奪を助長して社会を不安定化させる要因になります。

近年では貧困は、安定的・持続的な生計を確保できること(1)経済的能力)に加え、健康で基礎的な教育を受け、衛生的な環境で生活できること(2)人的能力)、人々の生活を脅かすさまざまな「脅威」に対処できること(3)保護能力)、人間としての尊厳や自らの文化や習慣が尊重され、社会に参加できること(4)政治的能力、5)社会・文化的能力)の、5つの能力が欠如した状態であるとの考え方が主流になってきています。