JICAボランティアの活動地域の多くは、日本と異なり自然環境や生活環境等が厳しく、また医療事情、衛生状態も悪い開発途上国です。今までに派遣されたボランティアの中には、赴任先で体調を崩し、療養一時帰国又は任期半ばで早期帰国を余儀なくされた例が散見されています。このような事態をできる限り回避するためにも、応募時の健康診断では、2年間のボランティア活動が支障なく行えるかを基準に、ボランティアとしての健康に関する適性を健康診断結果および派遣国の状況等も考慮した上で、総合的に判断しています 。
具体的には、既往歴がある方、現在病気治療中の方(内服薬などを常時携帯することが必要な方)、過去に罹患・治癒した病気が再発する危険性がある方などについては、慎重に判断しています。したがって、過去に病気・怪我の既往がある方は、現在は完治している場合でも環境により悪化する病気もありますので、応募時には必ず申告してください。
また、持病のある方、治療中の傷病がある方、定期的に検査等を必要とされている方、虫歯等で歯科通院中の方は、主治医と相談し、完治した状態で受験して下さい。
<<健康診断受診前に必ずお読みください>>
(1)コンタクトレンズをご使用中の方へ
派遣国は未舗装道路が多く、乾燥や土埃は日本で経験する以上のものであり、水道水が24時間使用できるとは限りません。このような環境のもとで、日本と同じようにコンタクトレンズを毎日使用するのは困難です。したがって、装着に適切でない場合に(過酷な環境・目の異常)かならず眼鏡で代用できるよう各自でご準備ください。
(2)レーシック手術をお考えの方へ
通常レーシック手術後は一定期間の検診が必要であり、また保障期間なども設けられています。派遣前訓練や2年間の派遣に支障の無いよう、またご自身に不利益が生じないようスケジュール調整してください。
(3)歯列矯正中の方へ
派遣国で歯列矯正の管理をすることは困難です。少なくとも動的治療が終了し、保定治療になった段階で、主治医と十分相談し、ご自身に不利益が生じないよう参加時期をお考え下さい。
(4)月経不順がある方や月経痛の強い方へ
月経不順や月経痛の原因は、一時的で軽症なものから、早期に専門的な治療が必要なものまでさまざまです。普段から月経不順がある、月経痛がひどい、不正出血があるなどの方は、婦人科のかかりつけ医をつくり、治療が必要な状態でないか、長期の途上国派遣に際し、ご自身の健康に不利益が生じないよう十分ご相談ください。また、選考に際し、基礎体温を参考にすることがありますので、計測・記録しておくことをお勧めします。
派遣困難な病状等の参考例
- ● (1)貧血
- 開発途上国にはマラリアをはじめ、寄生虫等の感染症が流行している地域があります。特に、マラリアに罹患するとマラリア原虫が体内の赤血球に入り、赤血球を破壊するため、貧血の症状が悪化し、手当が遅れると死に至る危険性があります 。
- ● (2)極度の肥満・やせ
- 極度の肥満の方は脂質異常症、高血圧等の生活習慣病になる可能性があります。また、極度のやせの方は、抵抗力が弱いため病気にかかりやすい上、病気になった場合は治療期間が長引く可能性があります 。
日頃から暴飲暴食を避け、栄養バランスのとれた食生活を心掛けるようにし、適正体重を維持するようにしましょう。 - ● (3)ストレス性疾患(心身症を含む)
- 過去にストレス性の疾患に罹患したことがある方は、生活環境の変化に伴い、症状が再発、悪化する危険性があります。特に以下の病気は、ストレスがかかると病状が悪化する危険性があります 。
ア 気管支喘息
喘息の既往歴のある方は、大気汚染、生活環境の変化、職場の対人関係の悪化等により発作を発症する場合があり、特に成人の喘息発作は重篤な状態になりやすいです。イ 胃・十二指腸潰瘍
過去に繰り返し発症したことがある方の再発例が多いです。ウ 急性腹症、過敏性腸症候群
原因不明の便秘や下痢症状が発症する場合があります。エ 甲状腺疾患
ホルモンの分泌異常が起こりやすいです。オ うつ、自律神経失調症、過敏性腸症候群、摂食障害、過換気症候群等の治療中又は治療後(既往含む)は、ストレスがかかると容易に病状が悪化します。
- ● (4)婦人科疾患
- 生理不順をはじめ婦人科系の疾患で治療中、または手術直後の方は、一定期間の経過観察が必要です。また、月経不順や過多月経の方が治療せずに放置した場合には、症状が悪化することがあります 。
- ● (5)アレルギー
- 開発途上国に赴くためには各種予防接種を受ける必要があります。しかしながら、アレルギー体質の方で特に卵アレルギー、ゼラチンアレルギーがある方は、黄熱病ワクチンやインフルエンザワクチン等のワクチンを接種することができません。また、日本と異なる環境で、日本にはないアレルギー要因物質と接触すると、日本で症状は出ていなくても、突然強いアレルギー症状として出る場合がありま
す 。 - ● (6)アトピー性皮膚炎
- アトピー性皮膚炎に罹患している方は、赴任国の気候や生活環境(湿潤や乾燥)によっては皮膚の清潔が保ちにくくなり、症状を悪化させる危険性があります。状態に応じセルフケアできることが重要です。
- ● (7)高血圧症
- 心電図の異常及び腎障害等の合併症を伴う場合やコントロール不良の場合、派遣が困難となりま
す。 - ● (8)結核性疾患
- 治癒直後の場合はしばらく経過観察が必要です 。
- ● (9)腎疾患
- 自覚症状がなくとも検査値に異常があり、慢性状態が悪化する恐れがある場合、経過観察が必要です 。
- ● (10)高尿酸血症
- 痛風発作、腎・尿路結石の既往のある方で、現在も尿酸値が高い方は、食生活の変化に伴い症状が悪化する恐れがあります 。
- ● (11)糖尿病
- 生活環境や食生活等の変化により症状が悪化する恐れがあります。
- ● (12)痔
- 生活環境や食生活等の変化により症状が悪化する恐れがあります。
- ● (13)整形外科疾患
- 整形外科で手術を受けた場合は、赴任国の交通事情、生活環境等により症状が悪化する場合があるため、一定期間の経過観察が必要となります。腰痛症(椎間板ヘルニア等)がある場合にも同様の理由により症状が悪化する場合があります 。
- ● (14)難治性疾患の疾患
- 難治性疾患(潰瘍性大腸炎・自己免疫疾患・HIV感染・活動性C型肝炎/B型肝炎 その他)や定期的な受診や検査が必要な疾患に罹患している方が開発途上国に長期滞在する場合、先進国とは異なる衛生事情等から様々な感染症に罹患する可能性があることや、大きな生活環境の変化が過度のストレスとなって病状を悪化させることが危惧されます。
- ● (15)耳鼻科・眼科・皮膚科等の疾患
- 耳鼻科・眼科・皮膚科等の疾患でも、派遣困難となる疾病があります 。












