
東南アジア地域は、東南アジア諸国連合(ASEAN)に加盟する10カ国と、2002年に独立を果たした東ティモールの11カ国から構成されています。ASEANは、1967年に経済成長と域内平和を目的に設立され、創設メンバーであるインドネシア、フィリピン、マレーシア、シンガポール、タイに、1984年に加盟したブルネイをあわせた先発ASEAN6カ国と、のちに加盟したベトナム、ラオス、ミャンマー、カンボジアの後発ASEAN4カ国からなります。
ASEANは、1992年のASEAN自由貿易(AFTA)協定に基づき、域内の市場統合を推進しています。2007年11月の第13回ASEAN首脳会議では、ASEANの最高規範となる「ASEAN憲章」が採択されました。また、2015年までの「ASEAN経済共同体」実現のための行程等を定めた「ASEAN経済共同体青写真(ブループリント)」が採択され、共同体実現に向けて大きな一歩を踏み出しました。
ただし、先発ASEANが一定の発展段階に達している一方で、後発ASEANは遅れをとっており、地域経済の発展とともに、域内の格差是正がASEAN地域統合の重要な課題となっています。
日本は、戦後外交の柱の一つとして「アジア重視」を掲げています。東南アジアと日本は、さまざまな面で密接な関係にあり、特に経済面では最大のパートナーとして相互依存関係にあります。
中華人民共和国が1970年代末に改革・開放政策を開始して以降、日本は20年あまりにわたってその推進を支援し、めざましい経済発展の実現に大きく貢献してきました。しかし、経済の急激な発展と社会・経済構造の変化により、同国の援助ニーズが変化し、また、日本では厳しい経済・財政事情により、効果的で効率のいい援助が求められるようになっています。このような中、中国向けの有償資金協力(円借款)については2008年度に新規供与を終了しました。
一方、モンゴルでは、1991年に旧コメコン体制が解体して以降、経済が混乱していました。その後、強力な経済安定政策と日本を中心とした諸外国からの支援により、1995年以降は徐々に安定してきています。
中央アジア・コーカサス地域は、アジアとヨーロッパを結ぶシルクロードの要衝として、古くから交易などによる人や物の移動が盛んな地域でした。現在、この地域には8つの国がありますが、ソ連解体にともなう独立から15年以上が経過し、市場経済化がかなり進んでいる国、依然として貧困状態や閉鎖的な政治経済体制が続いている国、民主革命による政権交代を経験した国など、国によって発展のスピードや方向性が多様化しています。
この地域は、カスピ海沿岸の石油・ガスや、ウランをはじめとする希少金属など、豊富な天然資源に恵まれています。こうした背景から、近年国際社会からの注目が高まっており、あらたなパイプラインの設置や道路・鉄道の再開発が始まっています。
しかし、その一方で大都市を除く地方の生活は厳しく、貧困削減や失業対策が重大な課題であることには変わりありません。各国が独立国としての体制を確立していく一方で、地域共通の課題(民主化、市場経済化に即した制度の確立など)や、国境を越えて取り組むべき課題(交通・輸送ネットワーク整備ほか)など、地域内協力を進める必要性も高まっています。
約15億人の人口を擁する南アジア地域は、サブサハラ・アフリカに次いで貧困人口の割合が高く、約5億人が貧困層として暮らしています。保健、教育などの分野でも開発が遅れており、ジェンダー格差が依然として存在しています。民族、宗教、言語の多様性に富む一方、政治的・社会的には不安定で、紛争地を抱えてもいます。
2003年以降、インドとパキスタンの緊張関係が緩和されたことを背景に、南アジア域内各国の経済活動が活発化しました。近年めざましい経済成長を遂げているインドをはじめとして、経済は比較的好調に推移しています。こうした経済的なプラス要因は、地域の安定化に貢献することが期待されていますが、政治的には不安定な要因をいくつか抱えたままになっています。