外貨返済型円借款の概要

外貨返済型円借款とは

外貨返済型円借款は、借入人が希望する場合に貸付完了済みの円借款債務を円貨建てから米ドル建てに転換できるオプションを付与するスキームです。

借入人は、米ドル建て返済を選択することにより、米ドル建てでの債務額を確定できるため、借入人が米ドルを軸に債務管理を行っている場合には、返済時における為替変動リスクの軽減が可能となります。

外貨返済型円借款の制度内容及び手続きについては、借入人向け説明資料及びコンバージョンガイドラインにてご確認下さい。

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主な適用条件

(L/A調印時)
1 対象国 円借款対象の全ての国。
2 償還期間 15年または20年。
(通貨転換申請時点)
3 申請手続き L/A毎に1回のみ申請可能。貸付完了通知日から90暦日以内に申請を提出する必要がある。
(注)スペシャルアカウント方式、アドバンス方式またはSOE方式が適用されている案件の場合は、リファンドにかかる手続きが完了した日から90暦日以内に申請を提出する必要がある。
4 申請可能時期 2014年1月1日以降に申請可能。
5 対象金額 外貨転換対象となる金利別L/Aの残高が5億円以上500億円以下である必要がある。
6 債務返済トラックレコード 以下に該当する場合は申請を受付ない。
− 申請受領時点で円借款債権に延滞が発生している場合(判定単位は国単位)。
− 申請受領日から遡って過去10年間に31暦日以上の延滞実績がある場合(判定単位は国単位)。
7 通貨スワップの約定 市場の状況等により、JICAが通貨スワップが約定できない場合には、通貨転換は行われない。

(注)詳細については、借入人向け説明資料及びコンバージョンガイドラインを参照。

外貨返済型円借款の流れ

タイミング 概要
1 L/A調印時 借入人が希望する場合、外貨返済オプションを盛り込んだ借款契約(Loan Agreement:L/A)を締結。
2 貸付完了時 外貨返済を希望する借入人は、貸付完了後、一定期間内に外貨返済オプション適用を申請。申請が所定の条件を満たしている場合、JICAは通貨スワップ取引を通じて米ドル建ての新条件(元本、金利等)を決定の上、借入人に通知。
3 返済時 借入人は米ドル建ての新条件に基づき元利返済を行う。