日系人支援事業

1.日系研修員受入事業

日系研修員制度は、1971年度(昭和46)の開始以来、日系社会または地域社会の発展並びに経済・社会の発展に寄与することを目的に実施されてきましたが、2003年10月1日(平成15年)の独立行政法人国際協力機構の発足に伴い、本研修制度は新たに「国民等の協力活動」の中の「日系研修員事業」としてその実施方法を改編し、日本の地方自治体及びNGO、大学、公益法人等の団体並びに民間企業が自ら持つノウハウ・経験を活かし、中南米の日系人への技術協力を通じて国づくりに貢献することを目的とする日系研修員の受入に対し、JICAと共同で実施する事業となりました。

研修分野・重視される研修内容は以下のとおりです。

事業内容は、工業・農業等一般技術、歯学、医学、及び高度な専門知識や技術を要する研究者、年少者を対象とした日本語教師等それぞれの分野の研修員を集団並びに個別で受け入れる他、学術研究に従事する日系人と本邦研究者との研究交流を促進するための研究交流型の研修員を受け入れています。

1)集団コース

日系社会のニーズにあわせた研修テーマを設定し、原則として4人以上のグループで同一日程・同一目的で実施される研修制度で、日本語教師研修や農業分野などのコースがあります。

2)個別コース

日本の地方自治体及びNGO、大学、公益法人等の団体並びに民間企業が自ら持つノウハウ・経験を活かし、中南米の日系人への技術協力を通じて国づくりに貢献することを目的として、日系研修員の受入を提案する団体で研修する制度です。

研修事業 2012年度実績 2013年度実績 2014年度実績 2015年度実績 2016年度実績 累積
日系人研修員の受入 10 9 10 15 19 487

2.日系社会次世代育成研修

本研修は、中南米地域等への移住者の定着・安定のために移住者子孫教育として1987(昭和62)年度に「日本語学校生徒研修」として開始し、2012(平成24)年度からは、名称を「日系社会次世代育成研修」、2015(平成27)年度からは「日系社会次世代育成研修(中学生招へいプログラム)」として実施しています。
本研修では、海外の日本語学校に在籍する成績優秀かつ品行方正で将来の日系社会の発展に貢献するのに十分な素質のある日本語学校生徒が、日本人の海外移住の歴史に関する学習、中学校体験入学、ホームステイ、その他の各種研修を通じて、自分たちのルーツに対する理解と日本に対する理解を深め、さらに自らの日系人としてのアイデンティティの強化を図ることを目的としています。
さらには、本研修が日系社会での日系継承語教育の振興を促し、日系社会の次代を担う人材の育成に寄与することを上位目標としています。

また、2015年度から、高校生招聘プログラムと大学生招聘プログラムが追加されました。

研修事業 2012年度実績 2013年度実績 2014年度実績 2015年度実績 2016年度実績 累積
日系社会次世代育成研修(中学生、高校生、大学生プログラム) 6 6 6 10 11 154

3.日系社会リーダー育成事業

2000年度(平成12年)から開始した「日系社会リーダー育成事業」は、将来の日系人社会を担いうるリーダー、又は居住国の発展に貢献し日本との架け橋となる人材を養成することを目的とした制度です。

研修事業 2012年度実績 2013年度実績 2014年度実績 2015年度実績 2016年度実績 累積
日系社会リーダー育成事業(大学院奨学金) 1 0 0 0 1 11

4.交付金事業

移住者の定着安定を図ることを目的として、1967年度から移住地内及び移住者居住地域の生活環境整備等の援護支援として交付金事業(助成金)を2000年度まで実施してきました。

また、1984年度から日系社会または地域社会の発展並びに経済・社会の発展に寄与する日本語教育分野及び福祉分野の人材育成を目的とした支援事業を継続実施しています。