技術協力プロジェクト「地方行政支援プロジェクトフェーズ3」

背景と目的

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ブータン王国は、1980年代より少しずつ地方行政強化のための土台を築いてきており、県(ゾンカック)レベル及び地区(ゲオグ)レベルの地区開発議会の設置、2008年には憲法にて権限を国民に委譲すること、2009年には地方行政法、2011年には地方行政細則が制定してきました。2011年には県向け、地区向けの開発交付金も定着、現在は能力向上交付金の配布がパイロットで進められており、加えて2012年には地方行政に係る能力強化戦略も制定されています。

地方分権化にむけた環境整備が進むこのような状況の中、JICAは2004年から地方行政支援プロジェクトを開始し、フェーズ1(2004〜2007)、フェーズ2(2007〜2010)では地区レベルの事業実施のため資金供与や計画策定に特化した能力強化を支援してきました。しかし、フェーズ1、2を通じて、地方における事業実施に必要な様々な能力強化が必要であることが認識され、ブータン政府からJICAに対し、地方向けの総合人材育成計画(ICBP)のさらなる整備を行う要請が行われました。

事業概要

2011年3月から開始されたフェーズ3では、県や地区の能力研修ニーズを確認した上で、地区行政官・議員向け基礎研修パッケージである総合人材育成計画(ICBP)として10研修を標準化し、各研修の主要指導員(マスタートレーナー)の設置やカリキュラムの策定・改定も行っています。地方の開発を担う行政官や議員達が、住民ニーズを汲んだ開発計画を策定し、ひいては自分たちで事業を実施できるようになることを目的としています。

【協力期間】
2011年2月〜2014年8月
【実施機関】
内務文化省地方行政局
【専門家派遣】
長期専門家(地方行政)

事業ハイライト

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地方行政を強化するブータン政府の姿勢を受け、これまで様々な研修が地方行政官や議員向けに行われてきましたが、質や内容、指導員は研修毎にバラバラで、限られた予算が必ずしも有効に使われてきたとはいえませんでした。この支援により、基礎研修10項目の内容基準を作り、研修毎の主要指導員が質の担保を行うことが期待されます。