無償資金協力「第三次橋梁架け替え計画」

背景と目的

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ブータン王国は、国土(46,500km2)の大部分が山岳地帯で、道路交通が唯一の交通手段で、道路は基礎インフラとして最も重要です。ブータン王国の主要交通である道路および橋梁の整備は、1961年に始まった第1次5ヵ年計画以来、常に重要課題として取り上げられており、全国の県庁所在地の主要都市を結ぶ幹線道路網整備を重点に実施されてきました。しかし、国道上の多くの橋梁は1970年〜80年代に架橋された仮設ベイリー橋で既に耐用年数を過ぎており、損傷や老朽化が著しい状況です。そのため、農業を中心とする地域経済の拡充による交通量や積載量が増加し、崩落の危険性が指摘される橋梁も存在しています。

このような状況の中、ブータン国政府の要請に基づき、JICAは1997〜1998年にかけて開発調査「橋梁整備計画調査」を実施しました。同調査では22橋の中から緊急に架け替えの必要な12橋が選定され、日本政府は無償資金協力により「橋梁架け替え計画」、「第二次橋梁架け替え計画」を実施しました。これらに続くプロジェクトとして、国道5号線じょうの橋梁の架け替えについて、ブータン政府から要請があったものです。

事業概要

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国道5号線上にあり架け替えが必要と判断された橋梁のうち、比較的橋長の長い6橋(30〜70m)を対象として架け替えることにより、ブータン南部から中部、首都ティンプーに至る国道5号線上の安全で円滑な道路交通を確保し、安定した輸送が確保することを目的としています。

【E/N署名日】
2009年6月19日
【E/N金額】
24.94億円
【実施機関】
公共事業住宅省道路局

事業ハイライト

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今回の協力では、日本の協力において初めてプレストレス・コンクリート橋梁が建設されました。工事実施中はブータン政府の技術者が現場を訪れ、施工方法を見学し積極的に技術を吸収しようとする姿が見られました。またこれまでの協力同様、鋼製の橋梁はブータン政府による維持管理の負担を極力軽減するため、耐候性鋼材が使用されています。