チエテ川流域環境改善事業

背景

【写真】

チエテ川

サンパウロ首都圏はブラジル全人口の約1割が集中する同国経済活動の中心地であるが、その中心部を貫流するチエテ川において頻発する洪水によって、交通の遮断、周辺家屋への浸水、伝染病の蔓延等の被害が生じていた。

事業内容

サンパウロ首都圏中心を貫流するチエテ川の治水事業により洪水を抑制するとともに、上流域に建設されるダムにより上水、灌漑用水、産業用水の安定供給を行うもの。

  1. 河川改修(総延長約50km)
  2. 流量調節ダム建設(2ヶ所)

円借款概要

  • 貸付契約:1995年7月18日
  • 承諾金額:49,427百万円
  • 償還期間:25年(うち据置期間7年)
  • 金利:5.0%(コンサルタント部分は3.25%)
  • 調達条件:一般アンタイド
  • 借入人:サンパウロ州水エネルギー公団
  • 実施機関:サンパウロ州水エネルギー公団
  • 保証人:ブラジル連邦共和国

事業の裨益効果

  1. 流下能力の向上及び上流水量調節システムにより頻発する洪水の抑制等を実現し、洪水による経済活動への影響回避、水源確保、河川水質の向上によるチエテ川流域住民の生活環境改善等の事業効果が期待される。
  2. サンパウロ州水エネルギー公団によれば、これまでの洪水発生確率は平均で2年に1回であったが、本事業により洪水発生確率は100年に1回となると推定している。なお、洪水防止により得られる経済効果は、住居、工場及び商業施設への被害回避額が2年間で約2億1,500万米ドル、自動車等交通への被害回避額は、3日間洪水が続いた場合で、約1,400万米ドルと試算されている。