代表的なプロジェクト

ブルキナファソで実施中の(または実施した)代表的なプロジェクトの概要をご覧頂けます。
(※技:技術協力プロジェクト、有:有償資金協力事業、無:無償資金協力事業、開:開発調査、個:個別専門家派遣、医:医療特別機材、草:草の根技術協力)

教育

ブルキナファソでは、近年、初等教育の総就学率が大幅に改善した一方で、サブサハラ周辺諸国と比較して修了率は低く、基礎学力も低いなど、教育の質に課題を抱えています。

ブルキナファソ政府は、国家開発戦略である「国家経済社会開発計画(PNDESII)2021-2020」において、「安全保障と平和の達成」と並んで「社会の強靭化」と「経済構造の変容」を開発目標としており、それを支える4つの柱の一つとして「人的資源開発の強化」を挙げています。

教育分野の開発戦略である「基礎教育及び中等教育の開発戦略計画(PSDEBS)2021-2025」では、2030年までに初等教育の修了率100%が目標に掲げられており、小学校から中学校への進学を担保し、基礎教育としての一貫性を確保していくことを目指しています。

上記のブルキナファソ政府の目標達成を支援するため、JICAは、中学校建設とともに、教員養成能力の強化、住民参加型学校運営の推進を通じた教育の質の向上に取り組んでいます。

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小学校の子供たち

農業/農村開発

ブルキナファソでは、労働人口の約8割が農業・畜産業を中心とする第一次産業に従事しています。国家開発計画である「第二次国家経済社会開発計画(PNDESII)2021-2025」において、ブルキナファソ政府は安全保障、行政改革、人的資源開発と並ぶ4本柱の一つとして、経済成長と雇用を担う産業の強化を位置付けています。とりわけ、国民の大多数が従事する農業は基幹産業として、政策的取り組みが優先的に進められています。JICAはこれを後押しする協力として、「産業としての農業」の開発指針を定めるマスタープラン策定に加え、輸出産品の多様化を目指したゴマ生産支援、SHEPアプローチによる市場志向型農業の普及支援、灌漑や低湿地活用に向けた技術支援などを行っています。また、ブルキナファソに存在する豊富なリン鉱石資源を活用した肥料の開発を推進し、農業生産性の向上にも取り組んでいます。これらの取り組みを通して、農業産業化の推進とともに、食糧安全保障の強化、そして栄養改善に貢献することを目指しています。

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乾燥マンゴー加工工場

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試験場でのゴマ栽培

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低湿地稲作

域内統合

ブルキナファソは、西アフリカ地域の中心部に位置し、国際幹線道路の結束点となっており、サヘル諸国とギニア湾岸国をつなぐ陸上交通・輸送の要地となっています。また、ブルキナファソには、西アフリカ諸国の地域統合を推進している西アフリカ経済通貨同盟(UEMOA)の本部が置かれています。

JICAは西アフリカ4か国(コートジボワール、トーゴ、ブルキナファソ、ガーナ)を対象に「西アフリカ成長リング回廊」のマスタープランの策定を通じて、域内の市場・経済統合の基本計画の策定に協力しました。

このマスタープランの円滑な実現を目指し、JICAはUEMOAとの連携しつつ国境通関の効率化や広域インフラの整備など、地域統合の促進に協力しています。

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トーゴ・ブルキナファソ国境の通関施設

その他

重点分野(教育、農業/農村開発、域内統合)以外にも、ブルキナファソの発展に貢献する事業を展開しています。

保健

ブルキナファソの保健指標は、5歳児未満死亡率、妊産婦死亡率など、世界の中でも深刻な状況にあります。JICAは、保健システムの強化に貢献することを目的に、母子保健や一般傷病の治療を軸とした保健サービスを提供する保健社会向上センター(CSPS)の建設や、課題別研修・第三国研修を通じた保健人材に育成に取り組んでいます。また、ブルキナファソでは2020年3月9日に最初の新型コロナウイルス発症例が確認されて以降、急速に感染が拡大しました。ブルキナファソ政府は夜間外出禁止等の措置を行い、感染の抑え込みに一定の成功を収めましたが、検査体制の拡充や医療従事者の能力強化等が引き続き課題となっています。JICAは新型コロナウイルスの検査機関である国立公衆衛生研究所(LNSP)に対し、PCR検査機材の供与及び技術指導を行い、同研究所の組織的な能力強化に取り組んでいます。