所長あいさつ

JICAコスタリカ支所のホームページにようこそ!
中米コスタリカは日本の約1/7の面積に約500万人(日本の約1/24)が暮らす小国です。最近では日本のTV番組でも数多く取り上げられるほど自然が豊かで、生物多様性の国としてご存じの方もいらっしゃると思います。
また、国内の電力源がほぼ100%再生可能エネルギーで供給されており、カーボンニュートラルを目標とする地球温暖化対応に積極的な取り組みをする環境先進国とも言われています。
加えて、軍隊を保有しない教育福祉国家を国是とする憲法を制定した(1949年)国であり、国民は争いごとを嫌う平和国家です。
この国を表す代表的なスローガンが「環境保全」と「平和」の二つといえます。

JICAの協力は、1974年(昭和49年)にコスタリカ大学に対して行った電子顕微鏡技術の協力から開始されました。日本人専門家から指導されたその研究技術は、約48年経った現在でも第一線で活用されています。当時は医療分野での協力から始まりましたが、国内外の医学をはじめとする化学、農業、鉱工業など様々な分野の研究に貢献しています。

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コスタリカも日本同様に自然災害の種類や頻度の多い国の一つで、そのリスクの高さは類似しています。現在中米地域内での防災能力強化プロジェクトを展開中で、日本の経験や技術を学んだコスタリカ人の研修員が帰国後にコスタリカ独自の防災対策に活躍しています。中米地域とのネットワーク構築と経験や知識の共有をしつつ、一人でも多くの命を守り、災害に強い国造りを目指しています。

また、コスタリカへの青年海外協力隊員派遣も約半世紀前の1974年から始まり、これまでに740名を超えるJICAボランティアがさまざまな分野に派遣されています。
協力隊派遣事業を通じては環境教育や日本語教育、スポーツなど幅広い分野での人材育成を中心に協力しています。JICAボランティアとともに働いたコスタリカ人の同僚たちがそれぞれの分野でリーダーとなり、日本と日本人を身近に感じながら、学んだことなどを発信、貢献されている場面によく出会います。

コスタリカはすでに高中所得国の仲間入りを果たし、これまでの日本との協力で培った技術や考え方を継続、進化させている日本の良きパートナー的存在です。今後も国内の発展や格差是正のみならず、地球規模の課題に立ち向かう国同士としての協力関係の強化のために、JICAコスタリカ支所も引き続きお役に立ちたいと願っています。

2022年4月
JICAコスタリカ支所長
高野 剛