バハル・ヨセフ灌漑用水路ダハブ堰改修計画

背景と目的

バハル・ヨセフ灌漑用水路ダハブ堰は、中エジプト地域における全長約300kmのバハル・ヨセフ灌漑用水路全線に設けられている堰の1つで、1900年に建造されています。本事業は、老朽化した同堰を改修して受益地区への安定的な水供給を実現しようとするものです。

事業概要

  • 交換公文(E/N)署名日:2008年6月15日
  • 供与上限額:2,141百万円
  • 実施機関:水資源灌漑省灌漑改善局

本事業では、バハル・ヨセフ灌漑用水路上で過去3件実施した堰の改修事業の成果を評価して、水位・流量調節が容易にできるオーバーフローゲート方式が採用されます。これにより、灌漑用水が受益地に効率的に送り込まれるようになり、灌漑配水量が最大11%上昇することが期待されています。

事業ハイライト

エジプトでは、アスワンハイダムから放流される水量はスーダンとの協定により年間555億トンに制限されています。しかし、この協定が結ばれてからすでに50年がたち、その間人口は急激に増え続けています。そんな中、エジプト8,000万人の食糧と生活を支える水を最も効率的に活用することが大きな課題となっています。本事業は、限られた水資源を有効活用し、農業収益を上げることで地域の農家収入の向上と食糧自給の支援を行うことになります。

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施工前のダハブ堰