天水稲作持続的開発プロジェクト

協力期間

2009年7月21日から2014年7月20日

相手国機関名

食糧農業省 作物サービス局

プロジェクトの背景

ガーナにおいて、米はトウモロコシに次いで生産量の多い穀物ですが、近年都市部を中心として調理に手間のかからない米の消費量が大幅に増加傾向にあり、国産米の供給が米の国内需要に追いつかない状況です。

JICAが2005年から2008年まで行った、「コメ総合生産・販売計画調査」では、近年の消費の伸びと人口増加を考慮した場合、2015年の米の国内需要は2010年の米の需要量(約1000トン)の約1.7倍になることが明らかになりました。

ガーナでは、米の80%が低湿地における半集約的な天水稲作によって栽培されています。
天水稲作とは、雨水のみを使って行う稲作のことです。灌漑施設を使用せず、導入コストがかからないのが特長で、雨季があり、小規模生産農家の多いガーナに適した稲作の方法であるといえます。一方で現在のガーナにおいては、耕地の整備や栽培、収穫後の処理に関する稲作農家の技術が十分でない、農業資機材や市場情報へのアクセスの不足など営農を支援する体制が整っていないなどの課題もあります。

本プロジェクトは、天水環境において、小規模農家が適用できる栽培技術の導入、営農の改善、普及手法の拡充により、対象地域における稲作の生産性と収益性の向上に寄与することを目的に活動を行っています。

具体的には

  1. 稲作農家に対する耕地整備手法や改良栽培技術、収穫後処理(脱穀、精米など)のガーナの小規模農家に適した稲作技術の導入支援
  2. 稲作農家の農業機材や市場情報へのアクセスのための導入支援
  3. 改良された稲作技術や農家の営農改善を「持続的天水稲作開発モデル」として普及させるための支援を行っています

目標

上位目標

対象地域における天水稲作の生産性及び収益性が向上する。

プロジェクト目標

対象地域において「持続的天水稲作開発モデル」の普及が促進される。

成果

成果1 天水稲作の改良技術パッケージが確立される。
成果2 天水稲作のための営農支援システムの改善の方法が明らかになる。
成果3 持続的天水稲作開発のための普及方法が確立される。

活動

1-1. 対象地域の天水稲作生産の現状を把握する。
1-2. モデル地区を選定する。
1-3. 現行の天水稲作技術を把握する。
1-4. 耕地整備技術を改善する。
1-5. 稲作方法を改善する。
1-6. 改良天水稲作生産方法の技術マニュアルを作成する。
2-1. 対象地区のコメ生産、加工及びマーケティング・グループを強化する。
2-2. 農家及び農民グループの営農能力を改善する。(農家及び農家グループのクレジット・インカインドへのアクセスを改善を含む)
2-3. 農家及び農家グループの収穫後処理及びマーケティング能力を改善する。
2-4. 営農支援システムの指針とマニュアルを作成する。
3-1. 州職員、県職員、コンタクト農家及びキー農家対象の研修を実施する。
3-2. プロジェクト対象地域の稲作普及システムを改善する。
3-3. モデル地区で普及方法を検証する。
3-4. 拠点地区で普及方法を改善する。
3-5. 稲作普及の指針とマニュアルを作成する。