ホンジュラスは中米地域に位置する人口約800万人の国家で、一人当たりのGNIはUS$1,820と中南米地域の中でも貧困国の一つとなっています。中米地域は5つの国家から成り立っており、ホンジュラス国旗に描かれている5つの星は中米5カ国を意味し、小国が集まった中米地域の統合の夢が込められています。
JICAはこれまで中米地域各国の開発と地域統合に資する協力を実施してきました。ホンジュラスにおいては1970年から協力が始まり、累計で約1,300名のボランティアと約800名の専門家派遣、また、約2,500名のホンジュラス人研修員の日本への受入をしており、これらの人の交流を通じてホンジュラス人にとって日本はとても身近な存在となっており、非常に親日的な関係を築いてきました。
2009年6月のクーデターにより国際的に孤立したホンジュラスですが、その後、民主的な選挙により選出されたロボ・ソーサ政権は、国内の対立勢力間の融和と国際社会への復帰を重点課題として取り組み、2011年6月に米州機構への再加盟も認められました。また、ホンジュラス国会は政権交代による影響を受けない長期の開発計画―国家ビジョン(2010-2038)、国家計画(2010-2022)―を承認し、国家として持続的な開発に取り組もうとしています。
様々な課題を抱えつつも将来を見据えた持続的な開発に取組むホンジュラスに対し、JICAはこれまでの協力の成果を生かしつつ、ホンジュラスのオーナーシップとイニシアティブを尊重した協力に努めていきます。JICAでは今後の協力を分析検討した結果、(1)将来のホンジュラス発展の責任を担う若年層の保護・育成、(2)市民と行政の協働による主体的な地域開発、それに加え、(3)我が国と協働して取り組む気候変動対策を念頭に、4つの援助重点分野、「持続的地域開発」、「防災・気候変動対策」、「基礎教育」、及び「保健医療」を設定しました。今後はこれら4分野の協力を充実させ、協力の成果とホンジュラスの開発への貢献を強く意識した協力をしていきたいと考えています。また、中米域内共通の課題については、各国が参加する広域案件を実施し、域内の経験の共有による問題解決を支援しています。これらの支援が将来の域内統合を見据えた、各国の協力関係強化にも資することを目指したものです。
最後に、ホンジュラスは地理的には日本から遠く離れた国ですが、上述のとおりとても親日的な国です。JICAの協力がホンジュラスの人々の幸せと、日本とホンジュラスの人々の更なる関係強化につながることを願ってJICA関係者一同、努力する所存です。
2011年9月
JICAホンジュラス事務所長
山田章彦