国際緊急援助隊救助チーム 実践的な総合訓練を兵庫県にて実施

2016年3月23日

救助犬による捜索

鉄筋コンクリートを破壊する隊員

閉鎖空間における医療行為

高所への負傷者搬送

海外の大規模災害へ派遣される国際緊急援助隊(JDR: Japan Disaster Relief Team) 救助チームの実践的な総合訓練を、兵庫県広域防災センター等で3月3日から3月6日まで実施しました。
海外で大規模な自然災害等が発生した場合、被災国政府からの支援要請に基づいて、日本政府はJDRチームの派遣を決定、国際協力機構(JICA)が同チーム派遣手続きを行います。JDRチームのうち、主に地震等で崩れた建物などに取り残された人たちの捜索・救助を目的とするのが救助チームで、1987年9月の「国際緊急援助隊の派遣に関する法律」(JDR法)制定以降、2015年4月に発生したネパール地震まで計19回派遣されています。
救助チームは外務省、警察庁、総務省消防庁、海上保安庁、医療関係者、構造評価専門家、JICAから参集した隊員(標準70名)で構成されています。いつ、どこで起こるか分からない災害に備えて、JICAの主催でこれらの隊員等を一堂に集めて年1回訓練するのが総合訓練です。総合訓練では、被災国からの要請に応えて迅速かつ効果的に捜索救助活動を行えるよう、実際の派遣を想定した48 時間連続シミュレーションにより、海外の捜索救助現場で必要とされる知識や技術を実践的に確認するとともに、訓練参加者の相互理解やチームワークを醸成することを目的としています。
今回の総合訓練は、都市直下型の地震災害が発生した被災国からの要請を受けてJDR救助チームが派遣されることとなり、3月3日の朝に成田空港にて参集し結団式実施後に本邦出発、当日午後被災国に入国して活動を開始し、3月5日の朝に活動が終了、という想定のもと、隊員68名及び救助犬2頭の参加により、昼夜を通して実施されました。
警察庁、総務省消防庁、海上保安庁から構成される救助隊員は、地震災害で倒壊した建物内に被災者が閉じ込められたという想定で、救助犬や画像探索機を使った行方不明者の捜索を実施。その後、削岩機などによる200mm鉄筋コンリート壁や450mm鉄筋コンクリート梁の破壊や掘削、20mm金属の切断、地震により不安定化した木造建築物の安定化などを行い、ガレキや倒壊・破損した建物の中から負傷者を救出しました。また、ロープを使用し、高所を経由しての負傷者、救助犬、資機材等の運搬もスムーズに行いました。
医療関係者は、救助隊員と連携しながら、ガレキの中に閉じ込められた負傷者に対し、救命医療を施しながら救出する「閉鎖空間における医療活動(Confined Space Medicine: CSM)」を実施しました。
構造評価専門家は、チームに対して被災国の構造物について情報提供を行ったほか、救助隊員の活動現場にて構造評価上の安全管理や建築物の安定化について助言を行いました。
また、指揮本部では、活動拠点となるBoO(Base of Operation)を立ち上げ、団長、副団長らを中心に救助活動の方針、負傷者等の日本への送還方法や安全管理などの計画を策定、他国の救助チームとの会合など国際社会との連携を実施しました。
このたびの総合訓練では、隊員自らの力及び隊員指導を行った指導者の助言により、当初の目的である海外の捜索救助現場で必要とされる知識や技術を実践的に確認することができ、また、訓練参加者の相互理解やチームワークを醸成することができました。今後、総合訓練の結果を活かし、より高いレベルのチームづくりを行っていきます。