【ASEAN、40年の絆】フィリピン・エネルギー業界に関する投資シンポジウムを開催

−エネルギー省長官と投資機会・環境について意見を交換−

2013年11月1日

10月16日、JICAはフィリピン・エネルギー省と「フィリピン国エネルギーセクター投資シンポジウム」(日本アセアンセンター後援)を東京都内で共催した。エネルギー省のカルロス・ジェリコ・ペティリア長官出席の下、事業会社、商社、電力会社、金融機関などから約130人が参加し、フィリピンのエネルギー・電力関連インフラの整備や、電力料金制度の在り方など、同国に対する投資機会や投資環境について幅広く意見交換を行った。

エネルギー省長官自ら投資を呼びかけ

シンポジウムで講演するペティリア長官(左)と開催趣旨を説明する入柿部長

シンポジウムの冒頭、ペティリア長官は、2013年第2四半期にGDPが7.5パーセントの成長を記録するなど、近年のフィリピンの著しい経済成長を踏まえ、「こうした成長を支えるための電力供給、特に新規電源開発などの新規投資が急務だ」と述べた。また長官は、2030年までに1万メガワット以上の新規電源開発が必要になるとして、電力セクターにおける投資機会を訴え、あわせて高止まりする電力料金など、同国の投資環境に関するフィリピンと日本の意見交換も行われた。

会場からは、エネルギーセクターへの海外からの投資許認可の手続き、電力料金の今後の見通しなどについての意見や質問が多数寄せられた。これらに対してペティリア長官は、「投資家とのコミュニケーションを円滑化する方策や、雇用効果が高い直接投資への優遇などについて検討したい」と回答した。

最後に、JICA東南アジア・大洋州部の入柿秀俊部長が、関係者への謝辞とともに、「フィリピンのエネルギーセクターに対する日本のこれまでの長年の関与や貢献実績を踏まえ、日系企業の投資活動も含め、JICAは今後も積極的に支援を継続していきたい」と表明し、シンポジウムは閉幕した。

参加企業が技術・知見を紹介

参加企業はそれぞれエネルギー関連の技術や知見を紹介した

シンポジウムでは、株式会社日立製作所、三菱重工業株式会社、富士電機株式会社、丸紅株式会社などの協力を得て、フィリピンのエネルギーセクターに貢献できる技術や知見も紹介した。

日立製作所からは、クリーン・コール・テクノロジー(注1)について、三菱重工業からは高効率ガス発電(注2)について、富士電機からは地熱発電(注3)について、丸紅からは投資家としての視点について説明があり、エネルギー省からは、各社の具体的な説明に対し感謝の意が示された。

シンポジウム終了後には懇談会を開催し、フィリピン・エネルギー省幹部と参加者との間で直接対話が行われた。シンポジウムに参加したエネルギー省石油・ガス産業局のゼナイダ・Y・モンサダ局長は、「日系企業の優れた技術・知見に感動した」と述べ、参加企業からは「フィリピンのエネルギーセクターの投資可能性について学ぶ絶好の機会となった」という感想も寄せられた。


(注1)石炭の有害物質の排出を抑制し、環境負荷を軽減して高効率に活用する技術。
(注2)ガスタービンで発電するだけでなく、燃焼ガスの排熱で作った蒸気でさらに発電するシステム。発電効率が大幅に向上しCO2の排出量も大幅に削減される。
(注3)マグマ溜まりによって加熱された地下水の高温・高圧の蒸気を、タービンの動力として利用して発電をする。

【今年、交流40周年を迎えた日本とASEAN。日本と深いつながりを持つASEANの開発課題やJICAの支援など、ASEANの「今」をシリーズで紹介しています】