【ASEAN、40年の絆】ジャカルタ首都圏東部地域の物流改善に向けて(インドネシア)

−チラマヤ新国際港整備の今後の展開を紹介−

2013年11月22日

日本企業の関係者など170人が参加。新港整備への関心の高さがうかがえる

JICAは10月31日、国土交通省の海外港湾物流プロジェクト協議会(注)インドネシアワーキンググループと共に「インドネシアセミナー・ジャカルタ首都圏東部地域物流改善−チラマヤ新国際港整備の今後の展開−」と題したセミナーを、東京都内のホテルで開催した。

セミナーでは、インドネシア経済担当調整大臣府のアブデュール・カマルズキ次官補、国家開発企画庁のバスタリ・パンジットPPP局長、運輸省海運総局のモウリッツ・シバラニ港湾浚渫(しゅんせつ)局次長をはじめとする政府幹部が、自らチラマヤ新国際港整備(以下、新港)に関する取り組みを紹介した。

新港整備やインドネシアの物流に関心を持つ日本企業の関係者を中心に、約170人が参加。インドネシア政府関係者と物流課題の解決に向けた意見交換を行う貴重な機会となった。

開発効果を最大化するために

ジャカルタ首都圏東部に位置する工業団地群には、多くの日本企業が集積しており、近年、物流拠点となっているタンジュンプリオク港への所要時間を含めた物流コストの改善が大きな課題となっている。

その改善策の一つとして、タンジュンプリオク港への一極集中を緩和するため、新たなゲートウエーとなる「チラマヤ新国際港」の開発に、日本・インドネシア両国の官民から大きな期待が寄せられている。新港の開発は、2012年10月に両政府が承認した『ジャカルタ首都圏投資促進特別地域(MPA)マスタープラン』の中でも旗艦事業の一つとして位置づけられている。

しかし新港整備だけでは、物流の改善は限定的となる。新港の開発効果を最大化するためには、周辺地域の物流改善の課題解決に向けた具体的な分析が必要と考えられている。そこでJICAの協力で実施中の「ジャカルタ首都圏東部地域運輸・物流改善調査」の中間報告を行うとともに、インドネシア政府関係者が、進出企業から、日々直面している問題について直接聞く機会を持つことを目的に、このセミナーを開催した。

新港整備の重要性を再確認

カマルズキ次官補

セミナーでは、国土交通省大臣官房の大脇崇技術参事官のあいさつの後、カマルズキ次官補が、インドネシア政府が2011年5月に発表した「経済開発迅速化・拡大マスタープラン(MP3EI)」の効果とMPAへの取り組みについて述べた。

モウリッツ局次長

続いて、インドネシアの港湾開発を担う運輸省海運総局からモウリッツ局次長が登壇し、新港整備に向けたインドネシア政府の取り組みと今後の展開を語った。その後、JICAの協力で実施中の「ジャカルタ首都圏東部地域運輸・物流改善調査」調査団の株式会社オリエンタルコンサルタンツの今泉博史交通計画部経済・財務グループ次長が物流の現状分析と課題を報告した。

企業を代表して、一般社団法人日本自動車工業会の松野広治アジア部会長(トヨタ自動車株式会社海外渉外部第2地域室長)が、インドネシアの輸出入における港湾・物流の課題や対策などを訴えた。質疑応答では、円借款事業の形成状況やPPP(官民連携)による民間投資、物流の短期的な改善策、既存港の拡張計画との整合性などについて、活発な議論が交わされ、チラマヤ新港整備の重要性について再確認した。

木山理事

最後にJICAの木山繁理事が、インドネシア経済におけるインフラ整備の重要性を述べるとともに、新港を含むPPP事業などへの日本企業の参画を資金面で支援する日本政府やJICAの取り組みを紹介し、幕を閉じた。

セミナーでの報告や議論を踏まえて、JICAはインドネシアの新港整備を促進するため、より一層インドネシア政府と協力して取り組んでいく。


(注)海外の港湾物流プロジェクトに関して官民が情報共有・交換を行う場。


【今年、交流40周年を迎えた日本とASEAN。日本と深いつながりを持つASEANの開発課題やJICAの支援など、ASEANの「今」をシリーズで紹介しています】