国連「南南協力EXPO」アラブ地域会合開催

2014年4月2日

「第1回アラブ地域南南協力EXPO」ハイレベル会合に参加した中東諸国政府と国際機関の関係者

「第1回アラブ地域南南協力EXPO」 が2月18〜20日、カタールのドーハで開催された。この会合は、2008年以来、国際連合南南協力事務所(UNOSSC)(注1)が毎年開催している「グローバル南南協力EXPO」の一環として、初めて開催された地域会合だ。

アラブ地域会合開催の発端は、2013年10月にケニアのナイロビで開催された「グローバル南南協力EXPO」に参加した国連開発計画(UNDP)のアラブ地域担当者が、「南南協力をアラブ地域で推進するには、このような会合をアラブ地域で開催することが効果的だ」と、UNOSSCとカタール政府に話を持ちかけたことにある。

今回の会合には、中東諸国政府関係者をはじめ、国連食糧農業機関(FAO)、国連工業開発機関(UNIDO)、国際労働機関(ILO)、国連環境計画(UNEP)など多数の国際機関から総勢500人が参加。若年層・女性の雇用、エネルギー効率・再生可能エネルギー、水と食料安全保障という三つのメインテーマの下、ハイレベル討論会が開催されたほか、国際機関が優良事例を紹介した。

ハイレベル会合を共催

壇上で発表する肥沼部長

JICAは南南協力分野のリーディングドナーとして、「南南協力EXPO」創設当初から開催を支援している。今回のアラブ地域会合でも、各国の開発協力機関の局長級が出席する「ハイレベル会合」を共催した。

2月20日開催された「ハイレベル会合」では、JICAの肥沼光彦中東・欧州部長が開会式でスピーチを行い、JICAが中東地域で、エジプト、チュニジア、モロッコ、ヨルダンと協力してサブサハラ・アフリカ諸国やアフガニスタン向けの第三国研修を実施し、これまでに約4,000人の人材育成に貢献してきたことを紹介した。

また優良事例の一つとしてモロッコ政府による道路維持管理に関する第三国研修に言及。過去に日本が支援したモロッコ政府と協力することで、当該分野での膨大な支援ニーズに応えられるようになっていること、この南南(三角)協力(注2)を通じてモロッコの援助機関としての能力強化にも貢献してきたことを説明した。

協力スケールアップの模範例を紹介

CEAFAMの仕組み

肥沼部長は、その後に行われた、中東地域の南南協力推進のために開発援助機関や国連機関が果たす役割について議論するパネルディスカッションにも参加した。パレスチナ開発支援において日本政府が主導し、東アジア諸国との連携を促進するための「パレスチナ開発のための東アジア協力促進会合(CEAPAD)」(注3)を紹介。特に今年、新たに発表したイスラム開発銀行、パレスチナ計画庁との連携に基づく信託基金(CEAFAM)(注4)は、近年国際社会の中で関心が高まっている「南南(三角)協力のスケールアップ」の模範例となり得るものとして、参加者の高い関心を集めた。

2013年5月よりJICAからUNOSCCに出向し、今回のEXPOの企画・運営にかかわった櫻井真美連携調査員は、「2015年に終了する『ミレニアム開発目標』後、国際社会がどのような形で途上国の開発に貢献するのかが課題。中東地域が南南協力を通じて果たすべき役割、それを国連やJICAなどの国際機関がどうサポートしていくべきかについて、有益な意見交換ができた」と評価する。

新興国を巻き込み、途上国間の学びを促進する援助アプローチとして近年注目が高まっている南南(三角)協力。JICAは引き続きこの分野で国際的な議論をリードしていく。


(注1)United Nations Office for South-South Cooperation。
(注2)途上国が相互に協力して援助を実施する南南協力を、先進国などが支援する場合を指す。
(注3)Conference on Cooperation among East Asian Countries for Palestinian Development。
(注4)CEAPAD Facilitation Mechanism。JICAの協力の下、イスラム開発銀行(IDB)に設立される信託基金。資金面、技術面からCEAPAD参加国の対パレスチナ人材育成支援を促進することが狙い。