確実な税収を支援し、開発途上国の基盤を支える

〜株式会社ビーエムシー・インターナショナルの挑戦〜

2013年7月17日

ODAによる途上国支援と中小企業の海外事業展開のマッチング

TICAD Vでの山田社長とブルキナファソ国税庁長官

「大変興味深い製品なので、ぜひ詳しい資料を送っていただきたい。」株式会社ビーエムシー・インターナショナル(以下「同社」。)(本社:大阪)の山田哲夫社長は、横浜で行われたTICAD Vでの出展ブースで、アフリカ各国からの反応に大きな手ごたえを感じました。
外務省及びJICAでは平成24年度より、ODAによる途上国支援と中小企業の海外事業展開のマッチングを行っています。途上国の開発課題を中小企業の持つ優れた製品・技術で解決することを目指し、ODAで中小企業の海外事業展開を支援するものです。同社は2012年の「案件化調査」(ミャンマーとベトナム)、「途上国政府への普及事業」(モザンビーク)に応募し、採択されました。

付加価値税(VAT)徴税システム

山田社長が紹介している製品は、付加価値税(VAT: Value-Added Tax)徴税システムです。途上国では脱税や汚職、徴税組織の非効率な業務等のため、税金が正確に徴収されません。この製品は、お店のレジやPOS*1に同社が開発したシステム端末を接続することで、販売データの保存と国のサーバへの送信を行うものです。国が売上げを把握できれば、税金逃れはできません。店舗にとっても税金回収にやってくる担当者に対応するよりも、データ送信のほうがシンプルで、賄賂を要求されることもありません。
*1 POS(point of sales) 販売時点という意味で、販売情報を即時に管理するシステムのこと。

途上国でのビジネス展開

ミャンマーで自社製品をテスト

同社は、すでに先進国を中心に20数か国で導入実績を持っています。なぜ今、途上国なのでしょう。「納税がきちんとなされれば、国は海外からの援助に頼らず自分達で経済社会開発予算を確保することができます。そのためには、増税せずに税収を増やせる私たちのシステムが有効だと思いました。しかし」と山田社長は続けます。「途上国は市場が未成熟で、販売・設置・メンテナンス業務が容易ではありません。当社の途上国でのビジネスが現地にどう貢献できるのか、現地における調査や政府への働きかけができるまたとない機会と考え、応募しました。」

ミャンマーとベトナムでの調査

ベトナムの時計店で自社製品を試験設置

案件化調査は、自社製品が途上国でどのように役立つのかを調べ、そのためにODAをどのように活用できるかを検討するものです。ミャンマーとベトナムでは、歳入庁との打合せの他、テスト用システムを店舗に設置してデータを収集しました。「ミャンマーでは、数か月の差で渋滞やビルが目に見えて増えたのに驚きました。自分達のホテルの確保にも苦労しましたね。」と話す同社の芦田課長。「生活がしやすく、街のほとんどの人が英語を話すので、その点ではビジネス展開しやすい国だと思います。」

モザンビークでの調査

モザンビークのレストランで自社製品をテスト

現在、約30か国では、脱税防止のために特殊な仕掛けのレジなどフィスカル機*2の設置を義務付けたフィスカル法が存在します。モザンビークではこのフィスカル法の制定準備中であり、同社製品が採用されるビジネスチャンスがあるということです。調査を担当した同社の山田努さんはこう言います。
「途上国政府への普及事業の目的は、現地で自社製品の実証実験を行い、これを普及させるよう政府に働きかけることでした。文具店やレストラン等にシステムを設置してテストを行ったところ、国が把握していない店舗でも大きな売上げがあることがわかり、税収アップが見込まれます。歳入庁との協議は実務クラスから局長、長官まで、何度も実施しました。モザンビークでぜひとも自社製品が導入されるよう、引続きがんばりたいと思います。」
*2 フィスカル機 徴税を目的とした機器

企業と途上国とODAのwin-win-win

コートジボアールで政府関係者にシステムを説明

同社はJICAの「アフリカ開発のための民間技術導入可能性調査」にも応募し、採択されており、西アフリカを調査中です。今回はTICAD Vでタイミングよくブース出展ができ、同社にとってアフリカからの来場者に自社製品をアピールするよい機会になりました。現在も照会対応に追われているそうです。
JICAはこれからも中小企業の海外事業展開を支援していきます。

JICA関西 業務一課 戸倉 裕子