中東・アジアのごみ担当行政官が、SDGsからごみ問題を考えるワークショップを実施

2020年2月12日(水)午前、6か国(パキスタン、バングラデシュ、エジプト、ミャンマー、ジョージア 、トルコ)から集まった研修員が、SDGsと廃棄物問題との関連を整理するワークショップを行いました。

2020年2月18日

途上国の行政官が日本のごみ対策を学ぶ研修コース「総合的な廃棄物管理(C)」

 研修員は、中央や地方で固形廃棄物対策を担う行政官で、課題別研修「総合的な廃棄物管理(全般)(C)」に参加するため、2020年2月3日~29日来日しています。これらの国々では、経済発展や都市への人口集中により、ごみ量が急速に増加している一方、収集や処分などの対策が追いついておらず、健康被害や環境破壊などの様々な問題が発生しています。
 同研修コースは、関西地域特に西宮市や堺市の固形廃棄物対策に関する講義や視察を通じて、彼らが頭を痛めている問題に、より効果的に対処できるきっかけを掴んでもらえるよう組立てられており、本ワークショップは、コースの導入部分、課題整理の一環として実施されました。

貴重な気づき「ごみ問題はほぼすべてのSDGs目標に関連している。」

SDGs各目標とごみ問題を分析

各研修員の職場それぞれの問題を、SDGsから書き出している様子

 コース委託先であるNPO法人こども環境活動支援協会(LEAF) 狭間 惠三子※ 副代表理事が講師/モデレーターをつとめる本ワークショップは、まず、SDGs各目標とごみ問題の関係を整理していくことから始まりました。

 例えば、目標2「飢餓・栄養」では、先進国で食糧が大量に廃棄される「フードロス」が問題になっている一方で飢餓に苦しむ国があること、目標12「造る責任、使う責任」では、企業の製造者責任や市民の意識の向上により、ごみ量や処理費用が削減でき、環境への負荷も少なくて済むことなど、一つ一つ分析していくにつれて、固形廃棄物管理は、ほとんど全ての目標に関連しているという気づきがもたらされ、さらに、各研修員の日々の業務がSDGsと密接にかかわっているという認識が共有されました。
 その後、個々の職場で直面している優先順位の高い問題を、SDGsの視点からワークシートに書き出し、コースの成果品として各研修員がそれぞれ作成するアクション・プランのテーマを考えました。
質疑では、「MDGsとSDGsの関係は?」「日本は行政の中でSDGs目標を達成するための仕組みをどのように構築しているのか?」といった突っ込んだ質問も出されました。

※狭間 惠三子:サントリー次世代研究所課長、 大阪観光コンベンション協会情報発信担当部長を歴任、 初の民間登用人材として堺市副市長を経て現職