現在の場所は

マダガスカルの社会・経済

(1)政治・社会の動き

マダガスカルは90年代半ばまで、独立以来の政治的混乱や社会主義政策の導入により経済は低迷していましたが、96年に国際通貨基金(IMF)・世銀による構造調整融資が開始され、マクロ経済はかなり安定しました。

しかしながら、2001年12月の大統領選挙で、ラチラカ(前大統領)、ラヴァルマナナ(現大統領)両候補が争い、02年2月、ラヴァルマナナ氏が大統領就任宣言を行ったものの、当初、アフリカ統一機構(現AU)がこれを容認せず、一時は危機的な状況が生じました。最終的にはアメリカやフランス等の主要ドナー諸国がラヴァルマナナ新政権を承認し、同年12月には新政権の下、国民議会選挙を実施するに至りました。

この間の社会的混乱は経済分野に大きな影響を及ぼし、02年の経済成長率はマイナス成長(△12.7%)を記録しました。

ラヴァルマナナ政権は、発足後03年に貧困削減に向けたPRSP(Poverty Reduction Strategy Paper)を策定、ついで、04年11月、国家開発ビジョン「Madagascar Naturally」を発表。さらに、06年11月には、これらの長期ビジョンを「Madagascar Action Plan(MAP)」という行動計画(2007-2012)に集約しています。日本を含む主要ドナーはMAP実現に向けた支援表明を行っています。

MAPは次の8項目の公約(Commitment)で構成されており、それぞれに数値目標や具体的な行動目標が立てられています。

  • Commitment 1:Responsible governance
  • Commitment 2:Connected Infrastructure
  • Commitment 3:Educational Transformation
  • Commitment 4:Rural development and green revolution
  • Commitment 5:Health, Family Planning and the Fight against HIV/SIDA
  • Commitment 6:High Growth Economy
  • Commitment 7:Cherish The Environnement
  • Commitment 8:National Solidarity

06年12月3日に行われた大統領選挙はMAPの実現を公約として掲げた現職ラヴァルマナナ氏が第一回投票で54.79%の得票率を得て、再選を果たしました。その後、07年4月4日には憲法改正を問うための国民投票、9月23日に国民議会選挙、12月12日には地方首長・議員選挙が特に混乱なく実施され、これまでの大勢としては、政府・与党が勝利しています。

注:09年3月17日以降、上述の「ラヴァルマナナ大統領による政権」にかわって、軍と共に、憲法手続きに則らない形で政治権力を掌握したラジョリナ市長を首班とする「暫定政権」が発足していますが、本邦をはじめとする主な先進諸国及び国際機関等は現時点(10年1月1日現在)で同「暫定政権」を承認していません。

(2)代表的な社会・経済指標

ア.人口:1,970万人
アンタナナリボ(郊外を含む)170万人、トアマシナ21万人、アンチラベ18万人、フィアナランツァ17万人、マジュンガ15万人
イ.国土面積:592,000 Km2
ウ.GDP:USD 5.5 bil(≒6,050億円)(06年)
エ.一人当たりGDP(実質):USD 288.0(06年)(*1)
オ.一日1ドル以下で生活する人の割合:全人口の61%(05年)(*2)
カ.経済成長率(実質):6.3%(07年)(*3)
キ.消費者物価上昇率:10.3%(07年)
ク.地域経済圏:南部アフリカ開発共同体(SADC)及び東部・南部アフリカ共同市場(COMESA)に加盟。

【地図】マダガスカル

(*1)日本の800分の1の経済規模(日本はUSD 4,365 bil、約480兆円)
ドル円のレートは08年1月の実勢レートを参考に110円/ドルとした。

(*2)オの統計はUNDP Human Development Report新しいウィンドウを開きますによる。
その他の項目はthe Economist Intelligence Unit社新しいウィンドウを開きますのデータから引用。

(*3)政治混乱のあった02年以降の経済成長率は、△12.7%(02年)→9.8%(03)→5.2%(04)→4.6%(05)→4.7%(06)→6.3%(07)。