所長あいさつ

サンゴ礁からできた約1,200の島々から成るモルディブは自然環境に恵まれた美しい国です。その環境を求めて毎年人口の3倍以上の観光客が訪れ、観光部門は国のGDPの約3割に達します。一方、観光に過度に依存した経済はコロナ禍では大きな打撃を受け、また島々が散在する国土の状況は、国全体としての発展の隘路にもなっています。加えて人口約52万人(東京都の江東区の人口とほぼ同じ)の小規模な経済には、観光部門以外の民間投資の促進が難しい現状があります。

そのような中、今年11月にはムイズ新大統領が就任し、今後のモルディブの開発に向けて新たな取組みが開始されようとしています。1960年代から長年協力を続けてきた日本に対するモルディブの政府や人々からの信頼・期待は厚く、実はムイズ新大統領もJICAの帰国研修員でもあります。

今後、新政権によるモルディブが抱える課題のブレークスルーに向けた取り組みを応援しつつ、モルディブの人々に寄り添った協力事業を展開・実施して参る所存ですので、引き続き皆様からのご理解・応援を賜りたく宜しくお願いいたします。

2023年12月
JICAモルディブ支所長
高城 元生(たき・もとお)