帯広畜産大学との連携事業

平成17年2月10日、JICA緒方貞子理事長は帯広畜産大学の鈴木直義学長と畜産分野における国際協力に資する人材育成及び開発途上国への国際協力の実施を目的とした、「連携協力協定」を締結しました。この協定に基づき帯広畜産大学と組織間の連携を一層強化し、質の高い人材の育成と国際協力活動を展開していきます。
- ついに終了、帯広畜産大学の協力隊フィリピン酪農プロジェクト支援
- JICAと帯広畜産大学が連携融合プロジェクトを発足!
- JICAと帯広畜産大学の連携の経緯
- JICAによる特別講義
- 帯広畜産大学連携署名式
ついに終了、帯広畜産大学の協力隊フィリピン酪農プロジェクト支援

平成20年8月14日〜9月13日、帯広畜産大学から6名の学生が短期の青年海外協力隊員として日本政府とフィリピン政府が協力して行う「フィリピン酪農開発強化プロジェクト」に参加しました。
平成17年2月にJICAと帯広畜産大学との「連携協力協定」の締結以来、国際協力の人材育成をすすめる大学が協力隊の短期派遣を活用し、大学内で選抜された学生がプロジェクトに参加してきました。平成17年8月に最初の派遣が始まり、これまで5回の派遣で累計32名の学生が、乳質班、繁殖班、濃厚飼料班、粗飼料班、育種班のチームを組んで活動。本年9月末でプロジェクトが終了することから、今回が最後の派遣となりました。
JICAと帯広畜産大学が連携融合プロジェクトを発足!

平成19年3月2日、JICA帯広は帯広畜産大学と連携事業の集大成となる、「連携融合プロジェクト」が発足しました。本プロジェクトは文部科学省より特別教育研究経費連携融合事業予算として承認されたものであり、JICAと帯畜大が包括連携協定に基づいて、農畜産分野の国際協力の人材育成を目的に5年間のプロジェクトを実施するものです。
発足式にはJICAより金子理事、帯畜大より鈴木学長及び長澤理事が出席し、JICAと大学双方より本プロジェクトに対する期待及び考え方を表明し、このプロジェクトを成功させるための方策等についての打合わせを行い、併せてマスコミにも発表しました。
鈴木学長より、国際貢献に資する人材の育成は愁眉の急であり、本プロジェクトで形成される学術拠点を中心に開発途上国への国際協力を積極的に進め、併せて国際協力の人材育成事業を強化していきたいとの意が表明されました。また、金子理事からは、帯畜大の高度な知見を活かして国際貢献に資する人材の育成を強化したいとの期待を述べました。
今後は、JICA,帯畜大、文部科学省の3者からなるプロジェクトチームが発足し、具体的な連携融合プロジェクト活動を実施します。
JICAと帯広畜産大学の連携の経緯

日本が誇る農業基盤を持つここ道東地域では、古くから十勝の農業技術を伝えるため開発途上国から研修員を受け入れてきました JICAと帯広畜産大学は従来から「研修員受入事業」や専門家の派遣において、国際協力の連携を行ってきました。
帯広畜産大学の鈴木直義学長とJICA帯広国際センターの村上正博所長は平成16年6月4日に国際協力に携わる人材育成を目的とした連携協力のための覚書を署名しました。大学の「調査研究」実績を活用して国際協力の連携を行ってきましたが、「教育」についても新たに連携をスタートさせました。この覚書に基づく第一回目の国際協力特別講義をJICA国際協力総合研修所の金丸守正所長が行い、学生約130名が受講しました。
この年、JICA集団研修に学生が国内実習として参加したり、夏休み期間中にタイで実施しているプロジェクト(タイ及び周辺国における家畜疾病防除計画)で海外実習も行いました。
そして、平成17年2月10日、JICA緒方貞子理事長は帯広畜産大学の鈴木直義学長と畜産分野における国際協力に資する人材の育成及び開発途上国への国際協力の実施を目的とした、「連携協力協定」を締結しました。

JICAが持っている開発途上国での豊富な現場経験を大学教育の場に還元し、国際協力に携わる人材育成の推進をすると同時に、帯広畜産大学が持っている高い教育水準及び調査・研究能力を活用し、更に効果的な国際協力活動の展開をしていきます。
具体的な連携プログラムとして、教育連携では、「国際開発協力論」へのJICAからの講師派遣、青年海外協力隊事務局による海外実習、帯広国際センターが実施する農畜産関連の技術研修に学生が参加して研修員から開発途上国の農畜産物事情を直接学ぶ国内実習などが行われています。
今後この「協定」に基づく取組みにより、帯広畜産大学を核として十勝地域が農畜産分野の国際協力の拠点となることが期待され、その成果が注目されています。
JICAによる特別講義
平成20年度 JICAによる国際農業開発協力論の講義
| 日程 | 講義内容 | 講師 |
|---|---|---|
| 4月17日 | 国際協力における日本とJICAの役割 | JICA帯広 業務課 中野 智 課長 |
| 4月24日 | 十勝における国際協力 | JICA帯広 業務課 遠藤 昭雄 職員 |
| JICAと大学との連携事業 | JICA帯広 業務課 木村 卓三郎 職員 | |
| マラウイの事例 | JOCA(青年海外協力協会) 丹羽 克介 リーダー | |
| 6月12日 | 教育、ジェンダー | JICA国際協力専門員 上田 めぐみ |
| 6月19日 | 人材育成と知的支援 | JICA本部 人間開発部 小林 尚行 課長 |
平成20年度 JICAによる国際比較畜産論の講義
| 日程 | 講義内容 | 講師 |
|---|---|---|
| 10月14日 | 農畜産のグローバル化と家畜衛生 | JICA国際協力専門員 要田 正治 |
| 11月25日 | アジアの農畜産業−III | JICA国際協力専門員 斉藤 博 |
| 12月16日 | アフリカと農業・畜産開発 | JICA本部 農村開発部 星 弘文 課長 |
平成19年度 JICAによる国際農業開発協力論の講義
| 日程 | 講義内容 | 講師 |
|---|---|---|
| 6月14日 | 途上国の実情− I:教育、ジェンダー | JICA国際協力専門員 鈴木 陽子 |
| 6月21日 | 途上国の実情− II:保健医療 | JICA本部 人間開発部 小林 尚行 チーム長 |
平成19年度 JICAによる国際比較畜産論の講義
| 日程 | 講義内容 | 講師 |
|---|---|---|
| 10月31日 | 農畜産物のグローバル化と家畜衛生 | JICA国際協力専門員 要田 正治 |
| 11月14日 | アジアの農畜産業− I | 名古屋大学 国際開発研究科 西村 美彦 教授 |
| 11月21日 | アジアの農畜産業− II | JICA国際協力専門員 要田 正治 |
平成18年度 JICAによる国際比較畜産論の講義
| 日程 | 講義内容 | 講師 |
|---|---|---|
| 10月31日 | 農畜産物のグローバル化と家畜衛生 | JICA国際協力専門員 要田 正治 |
| 11月14日 | アジアの農畜産業− I | 名古屋大学 国際開発研究科 西村 美彦 教授 |
| 11月21日 | アジアの農畜産業−II | JICA国際協力専門員 要田 正治 |
平成17年度 JICAによる国際農業協力論の講義
| 日程 | 講義内容 | 講師 |
|---|---|---|
| 4月21日 | 日本のODAとJICAの役割 | JICA理事 金子 節志 |
| 5月26日 | 途上国の実情 I:食糧問題と農業 | JICA国際協力専門員 多田 融右 |
| 6月2日 | 途上国の実情 II:教育とジェンダー | JICA国際協力専門員 西谷 佳純 |
| 6月16日 | 途上国の実情 IV:保健医療 | JICA国際協力専門員 高橋 央 |
| 6月30日 | 地球規模の問題 II:水資源 | JICA国際協力専門員 鎌田 寛子 |
平成16年度 JICAによる「国際協力」特別講義
| 日程 | 講義内容 | 講師 |
|---|---|---|
| 6月4日 | 日本に国際協力―その現状と将来の展望 | JICA国際協力総合研修所 金丸 守正 所長 |
| 6月17日 | 途上国の畜産業と日本の技術協力 | JICA国際協力専門員 多田 融右(畜産開発) |
| 6月29日 | 東南アジアの援助戦略 | JICA本部 アジア第一部 佐藤 幹治 部長 |
| 7月14日 | タイ及び周辺国における家畜疾病防除計画 | JICA国際協力専門員 多田 融右(畜産開発) |
| 8月6日 | PCM研修〜技術協力の計画・立案〜 | JICA国際協力総合研修所 小林 正博 グループ長 |
| 10月6日 | 中南米の援助戦略 | JICA本部 中南米部 木下 健 部長 |
| 10月19日 | 畜産技術協力(パラグアイ酪農) | JICA国際協力専門員 多田 融右(畜産開発) |
| 11月2日 | 畜産技術協力(カンボジア牛人工授精) | JICA国際協力専門員 多田 融右(畜産開発) |
| 11月10日 | 南西アジアの援助戦略 | JICA本部 アジア二部 坂本 隆 部長 |
| 12月2日 | あなたにもできる国際協力 ―青年海外協力隊編― |
青年海外協力隊事務局 小路 克雄 |
| 12月13日 | アフリカの援助戦略 | JICA本部 アフリカ部 吉澤 啓 チーム長 |
| 1月26日 | 中近東の援助戦略 | JICA本部 中東・欧州部 中川 寛章 部長 |
帯広畜産大学連携署名式
松岡理事と畜大長澤理事ががっちり握手
国立大学法人帯広畜産大学による「フィリピン酪農強化開発プロジェクト支援委員会」が発足され、組織支援が正式に表明されたことから、平成18年8月10日、帯広畜産大学の会議室にて、JICAより松岡理事、帯広畜産大学より長澤秀行理事、石橋憲一理事の出席のもと、JICAと大学との間で「合意書」の署名の取り交わしが行われました。
今後、帯広畜産大学は合意書に基づいて公式にプロジェクト支援を行うこととなり、8月15日よりプロジェクトに派遣される短期派遣隊員の支援、大学教員によるプロジェクト関係者への技術指導などを一層深化させることとなりました。
署名式では、同大学の鈴木直義学長より、学生の隊員派遣に対する感謝の意が述べられ、国際協力の人材育成を大学教育の柱とする旨が伝えられました。それに対して、松岡理事からは、短期派遣に参加した学生が国際協力の人材へと成長することへの期待が述べられました。