「沖縄・カンボジア『平和文化』創造の博物館づくり協力事業」が JICA理事長賞を受賞

2015年10月28日

沖縄県平和祈念資料館 表彰状授与

沖縄県立博物館・美術館 表彰状授与

平和祈念資料館での研修

沖縄研修でパネル展示の準備を指導する様子

トゥール・スレン虐殺博物館の特別展示

プロジェクトについてお話しされる安里館長(右から二人目)と國仲館長(左)

国際協力機構(JICA)では、国際協力事業に貢献・協力し、途上国の人材育成や社会発展に尽力した事業・個人・団体の功績を称える「JICA理事長表彰」を行っています。

今年度はJICA理事長賞が9事業および個人4名と1団体、JICA国際協力感謝賞が個人12名と7団体に授与されました。JICA理事長賞(事業部門)に沖縄から提案された草の根技術協力事業(地域提案型)「沖縄・カンボジア『平和文化』創造の博物館づくり協力」(※1)が選ばれました。

カンボジアでは1975年から79年のポル・ポト政権時代に罪のない大勢の人々が命を奪われる大虐殺が起こりました。ポル・ポト派は知識階級とされる人々を徹底的に処刑したため、カンボジアでは現在もあらゆる分野において人材育成が大きな課題となっています。

プノンペン市内にあるトゥール・スレン虐殺博物館は、当時、高校の校舎が政治犯収容所として改造、使用された建物がそのまま博物館として残された場所です。拷問道具や写真、自白書などの資料が残されていますが、プロジェクト開始以前、その展示法や資料の修復・保存技術などの課題がありました。

本事業では、沖縄県平和祈念資料館と沖縄県立博物館・美術館がカンボジアのトゥール・スレン虐殺博物館とカンボジア国立博物館の職員への技術移転、人材育成を6年に亘り実施しました。

地上戦を経験した沖縄にある博物館、資料館はその歴史・文化、平和のメッセージを後世に伝えるという役割を担ってきました。そこで培われたノウハウを活かし、平和を発信する博物館として必要なさまざまな技術・知見をカンボジアの博物館へ伝えました。

沖縄の専門家の指導は時には厳しく感じることもあったようですが、プロジェクトを通して多くのことを学び、挑戦してきたカンボジアの博物館職員は「自分たちの力でできることが増え、自信につながった」と笑顔で話しました。

10月16日、JICA市ヶ谷ビル(東京)にて行われた表彰式に、県平和祈念資料館の國仲功館長、県立博物館・美術館の安里進館長が出席されました。國仲館長は「世界へ平和を発信する博物館同士、これまで培った信頼関係を今後も継続し、連携していきたいです。」と話されました。

また安里館長は「草の根事業がきっかけとなり沖縄の博物館が歩んだ経験を活かした仕事をさせていただきました。カンボジアの内戦の歴史と現状、博物館事情に触れることができたことは沖縄の私たちにとっても得るものが大きかったと感じています。」と思いを語りました。








※1 本表彰は、以下2つのJICA草の根技術協力事業を総称して授与されたものです。
・沖縄・カンボジア「平和博物館」協力(2009年5月〜2012年3月)
 -実施団体:沖縄県平和祈念資料館
 -カウンターパート機関:カンボジア国立トゥール・スレン虐殺博物館
・沖縄・カンボジア『平和文化』創造の博物館づくり協力(2012年7月〜2015年3月)
 -実施団体:沖縄県立博物館・美術館、沖縄県平和祈念資料館
 -カウンターパート機関:カンボジア国立博物館、カンボジア国立トゥール・スレン虐殺博物館