パラグアイ川浚渫機材整備計画

【画像】

プロジェクト名

(日)パラグアイ川浚渫機材整備計画
(英)The Project for Procurement of Dredging Equipment for Paraguay River
(西)El Proyecto de Adquisición de los Equipos de Dragado para Rio Paraguay

対象国

パラグアイ国

GA署名日(実施合意)

2018年12月2日

プロジェクトサイト

パラグアイ川流域

協力期間

2018年12月から2022年8月

協力金額

2,700,000,000円(24.12百万ドル相当)
(換算レート:1USD=111.936円,2019年5月)

相手国機関名

パラグアイ国家航行・港湾公社(Administración Nacional de Navegación y Puertos:ANNP)

背景

南米地域内の市場統合による持続的経済発展を目指す南米諸国は、市場統合に不可欠な域内の輸送インフラ整備を最重点課題としており、同課題解決に向け2005年の南米首脳会議において「南米地域インフラ統合計画」(IIRSA)に合意した。全長3,440kmの統合水路を形成するパラグアイ川及びパラナ川(以下、「パラグアイーパラナ水路」という。)は、世界有数の市場規模を誇るブラジル及び域外への輸出窓口であるラプラタ川に繋がる輸送手段として、流域5カ国(ブラジル、アルゼンチン、パラグアイ、ボリビア、ウルグアイ)の輸出の約3割を担っており、IIRSAの10の重要輸送ルートのひとつに位置付けられている。

現在、パラグアイ国内を流れるパラグアイーパラナ水路における主な輸送品目は、当国のGDPの2割を占める大豆、小麦等の一次農産品が43%と最も多く、物流規模は、近年の一次農産品の輸出の増加及び南米域内経済発展等により、2002年の300万トン以下から2012年には1,700万トン強と約5.7倍に急増している。また近年は、当国政府が推進する直接投資誘致の結果、ブラジル等南米市場向けの生産拠点として、日本を含む外国企業による当国への直接投資は増加傾向にあり、パラグアイーパラナ水路を経由する物流需要の更なる増加が見込まれている。しかし、パラグアイーパラナ水路のうち当国内を流れるパラグアイ川は流量の年間変動が激しく、主な輸送品目である大豆の輸出時期と重なる渇水期においては、流量が1,800m3/秒程度まで減少し堆砂が進み易い。よって、同流域及び水路全体の船舶の航行を維持するためには浚渫により3m程度の水深を確保することが必須であるが、浚渫を管轄するANNPが現有する浚渫船2隻の能力不足のため必要な水深が確保できず、船舶が円滑に航行されない結果年間約181百万米ドルの経済損失が生じていると試算されており(世界銀行2009-2011)、同区間の浚渫は、南米地域の重要輸送ルートであるパラグアイーパラナ水路整備のボトルネックとなっている。かかる状況下、「パラグアイ川航路浚渫機材整備計画」で整備する浚渫船にて浚渫を行い、パラグアイーパラナ水路の通年での航行を確保することが求められている。

2018年12月2日、安倍晋三内閣総理大臣が日本の首相として初めてパラグアイを訪問された時、パラグアイ大統領宮殿において、安倍総理大臣及びマリオ・アブド・ベニテス大統領の立会の下、JICAパラグアイ事務所米崎紀夫所長とルイス・アルベルト・カスティグリオーニ外務大臣との間で「パラグアイ川浚渫機材整備計画」の贈与契約(Grant Agreement:G/A)の署名が行われた。

事業の目的

本事業は、パラグアイ川流域において浚渫船1隻、その他関連船舶及び機材を整備することにより、パラグアイ川における浚渫作業能力の向上を図り、もって通年での船舶航行の確保及び南米地域の域内インフラ開発の促進に寄与するもの。

日本側投入(施設概要)

1)調達機器等の内容

ア)機材の内容:カッターサクション浚渫船1隻、タグボート1隻、支援船1隻、作業台船1隻、宿泊バージ1隻、モーターボート2隻
イ)調達・施工方法:日本又は第三国よりエンジン、発電機等の主要資機材を輸送し、当国内造船所にて組立てを行う。

2)コンサルティング・サービス/ソフトコンポーネントの内容

コンサルティング・サービス/ソフトコンポーネントの内容:詳細設計、入札補助、調達監理。ソフトコンポーネントは実施しない。