ニュースリリース

モザンビーク国向け円借款契約の調印

−道路、港、産業というナカラ地域の総合的開発を目指し、まずは道路整備により地域の経済発展の基礎を築く−

2010年03月11日

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調印式の様子

1.国際協力機構(JICA)(理事長:緒方貞子)は、3月10日、モザンビーク国の首都マプト市にて同国政府との間で「ナンプラ―クアンバ間道路改善事業」を対象として、59億7,800万円を限度とする円借款貸付契約に調印しました。

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本事業の対象道路の現在の様子

2.本事業は、モザンビーク国北部のナンプラ州ナンプラとニアサ州クアンバを結ぶ約350kmの国道の改良を行うものです。この区間は、同国北部の玄関口であるナカラ港より、マラウイの首都リロングェを経て、ザンビアの首都ルサカまで至る「ナカラ回廊」の一部を構成しています。本事業を含むナカラ回廊の整備により、モザンビーク最大の人口を誇るナンプラ州やニアサ州のみならず、内陸国のマラウイやザンビアに対しナカラ港への安価で信頼できる交通リンケージを提供し、モザンビーク北部の物流の増加、広域経済の活性化、住民の生計向上及び貧困削減が図られます。本件に係る貸付資金は、道路建設等に充当されます。

3.本事業は、「アフリカの民間セクター開発のための共同イニシアティブ(EPSA for Africa)(注1)」のもとで、アフリカ開発銀行との協調融資で実施されます。また、韓国輸出入銀行も協調融資に参加しており、日韓のODAによる初めての協調融資です。

4.国境が機械的に引かれており内陸国も多く、またGDPが大きくない国が多く集まっているといったアフリカの特徴を踏まえ、アフリカを国ではなくいくつかの“地域”として捉えて経済発展の戦略を考えていく重要性が「アフリカ開発のための新パートナーシップ(The New Partnership for Africa's Development。以下「NEPAD」という)」(注2)を中心として認識されています。この取り組みを推進するためにも、国境を越えた物流を円滑にする運輸インフラ整備が不可欠です。特に道路インフラはサブサハラ・アフリカにおいて旅客・貨物輸送の90%以上を担っているものの、その整備水準は世界の他の地域と比較しても非常に低く(注3)、こうした状況はサブサハラ・アフリカにおける高い内陸輸送コストにつながっており、経済発展のボトルネックになっています 。(注4)

5.このような課題解決に向けて、ナカラ回廊が国際回廊として機能することを目指し、JICAは本事業で支援するナンプラークアンバ間道路からさらに西に伸びる約150kmの道路を改修するための調査を実施しています。さらにナカラ回廊地域における総合的な開発を目指し、ナカラ回廊が整備されることにより取扱量の増加が見込まれるナカラ港の改修・拡張等開発のための調査を計画している他、ブラジルと連携し、ナカラ回廊地域の農業開発に取り組むことなども計画しています。また、教育や保健セクターへの支援も検討されています。

6.2008年5月に横浜で開催された「第4回アフリカ開発会議(TICAD IV)」の成果を踏まえ、JICAとしても、対アフリカ支援を重視する日本政府の方針に沿って、引き続きアフリカへの支援を積極的に検討していく方針です。


(注1)Enhanced Private Sector Assistance for Africaの略称。EPSA for Africaとは、2005年に日本政府が発表した、アフリカの民間セクター開発を包括的に支援するイニシアティブ。当機構が実施する円借款については、アフリカ開発銀行との連携により5年間で10億ドルを上限として供与するとされています。

(注2)2001年のアフリカ統一機構(OAU)の首脳会合で採択されたもので、他国に依存するのではなくアフリカ自身の責任において貧困削減、持続的成長等をめざそうとする試み。

(注3)サブサハラ・アフリカにおける道路密度は0.03km/km2であり、これは例えばアジア諸国の平均(0.2km/km2)と比べ圧倒的に低い状況にあります。

(注4)2001年時点の輸入総額に占める輸送コストは、世界平均が約6%であったのに対し、サブサハラ・アフリカ諸国の平均はその2倍以上となる13.8%、サブサハラの内陸国では20.7%に及んでいます。


【参考】
1.借款金額及び条件

案件名借款金額
(百万円)
金利
(%/年)
償還期間(年)据置期間(年)調達条件
本体コンサルティング・サービス
ナンプラークアンバ間道路改善事業59.78億円0.01%4010一般アンタイド

2.事業実施機関
道路公社(ANE)
住所:Direccao de Estradas Nacionais.
Avenida de Mozambique 1225
Maputo, Mozambique
Tel: +258.1.476.163 / 476.1637  Fax: +258.1.475.290

3.今後の事業実施スケジュール(予定)
(1)事業の完成予定時期: 2013年9月(道路共用開始時をもって事業完成)
(2)コンサルティング・サービス(施工監理等)にかかる招請状送付時期:
   2009年11月(送付済)
(3)本体工事に係る国際競争入札による最初の調達パッケージの入札公示:
2010年3月(予定)