ニュースリリース

アフガニスタンと日本をつなぐ未来の架け橋へ

−国づくりを担う47名が日本全国の大学に留学−

2011年10月24日

10月21日、日本各地の大学で学ぶアフガニスタン人の研修員の受け入れに伴うオープニングセレモニーが、駐日アフガニスタン大使館で開催されました。今回来日した47名は、国際協力機構(JICA)が、アフガニスタンで実施している「未来への架け橋・中核人材育成プロジェクト(The Project for the Promotion and Enhancement of the Afghan Capacity for Effective Development :PEACE)」の第一陣です。

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あいさつでアフガニスタン人研修員を激励する緒方理事長

セレモニーには、アフガニスタン側からバライ・シディキ高等教育省副大臣、セイエド・ムハンマド・アミーン・ファテミ駐日アフガニスタン大使、日本側からは、越川和彦外務省国際協力局長、藤嶋信夫文部科学省国際統括官、緒方貞子JICA理事長らが出席し、47名の門出を祝いました。

緒方理事長は、スピーチの中で、研修員に対し、日本での研修の成果を生かし、今後アフガニスタンの開発を推進する上で重要な役割を担ってほしいと話すとともに、日本の生活や文化に親しみ、日本の良き理解者として、両国の友好関係の促進に貢献することへの期待を述べました。また、全国20の大学に対し、研修員の受け入れへの感謝を述べました。

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研修の成果を国づくりに生かしたいと決意を述べるサイエド・ジャマルディン・フィロジ研修員代表

これに対し、研修員の代表から、限られた時間ではあるが、自身の専門分野について日本の大学で学び、帰国後は、祖国の発展に尽くしたいとの決意が表明されました。
 
「未来への架け橋・中核人材育成プロジェクト(PEACE)」は、アフガニスタンの農業・農村開発及びインフラ開発を推進する上で重要な役割を担う行政官、大学教員の能力向上のため、わが国の大学院修士課程等での就学の機会を提供するもので、2011年から5年間で最大500名のアフガニスタン人の受け入れを予定しています。1年目の2011年は、アフガニスタン政府の推薦を得た199名の応募者のうち選抜された47名が9月から10月にかけて来日し、全国20大学の21研究科で勉学に励みます。受け入れ大学は、北は秋田大学から、南は琉球大学まで全国にわたります。

アフガニスタンでは、約30年に及ぶ紛争による人材の流出、経済社会インフラの崩壊で、多くの国民がいまだ貧困ライン以下の暮らしを余儀なくされています(注1)。日本は「治安の向上」、「元タリバン等兵士の社会への再統合」、「持続的・自立的発展のための開発支援」を支援の重点分野としており、JICAは、アフガニスタン政府のリーダーシップとオーナーシップに基づき、開発による持続的な経済成長と相応の雇用創出を通じ、アフガニスタンの経済社会の安定化に貢献するという方針を掲げ、特に、農業・農村開発分野とインフラ開発分野を重点とする協力を実施中です。

「未来への架け橋・中核人材育成プロジェクト(PEACE)」を通じ、行政官および大学教員が日本で習得した知識や技術、発想力や応用力などをアフガニスタンで活用することを通じて、行政機能を向上させ、アフガニスタンの復興・開発推進の原動力になることが期待されます。同時に、日本の文化や習慣を理解することによって、研修員が親日家となり、日本とアフガニスタンとの友好関係の強化のために、重要な役割を担うことも期待されます。



(注1) 人間開発指数(2010年)は169ヵ国中155位。5歳未満死亡率は世界で最も高く、平均寿命は44歳。