ニュースリリース

ソマリア共和国内における活動を21年ぶりに再開

−首都モガディシュ市近郊の国内避難民を対象とした給水・衛生分野の調査実施−

2012年01月17日

1.国際協力機構(JICA)は、1月13日、ソマリア共和国の首都モガディシュ市近郊の国内避難民を対象とした給水・衛生分野の調査実施へ向け、国際移住機関(International Organization for Migration:IOM)との間で契約を締結しました。

2.現在もなお続く内戦の影響により、JICAは1991年から同国に対する支援を停止していましたが、2011年9月に「ソマリア行政官」を対象とした「保健リーダーシップ研修」をケニア共和国で実施し、支援を再開しています。その他、ソマリアへの間接的な支援を念頭に、ケニア国内で協力を実施してきましたが、ソマリア国内での支援は見送られてきたため、本調査が同国内における約21年ぶりの活動となります。

3.ソマリアを含む「アフリカの角」地域は元来干ばつに対して非常に脆弱であり、過去60年間で最悪と形容された2011年の大干ばつでは同地域全体で約1,330万人、ソマリアだけでも約400万人が被災したとされています。特に、首都モガディシュ市を含む同国南部の地域については昨年7月に国連が飢饉の発生を宣言し、内戦の影響も相まって約150万人の国内避難民が発生しており、深刻な人道危機に陥っています。

4.モガディシュ市においては、昨年8月のソマリア暫定連邦「政府」およびアフリカ連合ソマリア・ミッション(連合軍)の攻勢によるイスラム過激派勢力の撤退を受け、現在、多くの国内避難民が同市へ流入しています(約37万人:2011年12月時点)。しかしながら、同市は長い内戦の影響によって社会サービスを十分に供給できておらず、国内避難民が居住するキャンプの給水・衛生環境は極めて劣悪となっています。特に、水を原因とするコレラや下痢症の患者が子どもを中心に増えており、給水環境の改善が喫緊の課題とされています。

5.このような危機的状況が確認されている一方、JICAが現地で直接活動を行うためには依然として様々な制約があります。そこでJICAは、モガディシュ市近郊の国内避難民を対象とした支援実績を有し、同市において給水・衛生分野で実質的に活動可能な唯一の国際機関であるIOMと協議を重ね、調査を行うことで合意しました。本調査は、同市近郊の国内避難民を対象として、日本の技術を生かした持続的かつ効果的な給水・衛生事業の可能性を検証し、提言をまとめることを目的とするものです。調査結果については、JICAおよび関係機関(開発パートナー等)による今後の事業に有効活用されることが期待されます。

6.ソマリアでは早期の紛争解決が望まれると同時に、そこで暮らす人々のために安全かつ衛生的な環境を一刻も早く整備することが国際社会には期待されています。JICAはソマリアの人々のために、今後も、可能な支援策を検討、実施していく方針です。