ニュースリリース

ブラジル連邦共和国向け円借款契約の調印

−中南米最大の上下水道公社を通じ、サンパウロ州の水資源の効率的利用を支援−

2012年02月23日

【写真】

署名を終えた、佐々木JICA理事(左)、SABESPのジルマ総裁(中)、フイ財務担当理事(右)

1.国際協力機構(JICA)は、2月23日、ブラジル・サンパウロ州上下水道公社(SABESP)との間で「サンパウロ州無収水対策事業」を対象として、335億8,400万円を限度とする円借款貸付契約に調印しました。

2.本円借款は、ブラジルのサンパウロ州全域において、既存水源の効率的利用による水需要への安定的な対応を目指し、上水道関連インフラの改善およびコンサルティング・サービスに必要な資金を供与するものです。円借款は対象地域の給水管等の更新や漏水対策、コンサルティング・サービス等に充当されます。

3.ブラジルでは、都市部の上水道普及率がほぼ9割に達する一方で、生産した水量のうち、漏水や盗水、水道メーターの故障等で受益者に届かず失われる水の割合(以下、「無収水率」)は全国平均で37パーセントであり、既存の水資源の効率的な利用が課題となっています。

4.本事業の対象であるサンパウロ州は、同国GDPの3分の1以上の経済規模を有する大都市圏であり、同国の堅調な経済成長に伴い、年々、経済規模および人口が増加し、水需要も増加しています。他方、同州の既存の水資源量は国全体の1.6パーセントしかなく水源が限られている一方、無収水率は約32パーセントと供給する水の3分の1が失われています。

5.増加する水需要への対応として、これら大量の無収水を削減することにより、既存水源の効率的利用が可能となるほか、新規に水資源を開発する必要性がなくなることから、自然環境への望ましくない影響を減らすことが可能となります。また、無収水率を削減することで、水道収入が増加することから、公共事業である水道事業の経営安定化も期待されます。

6.本事業は、SABESPによる「無収水削減およびエネルギー効率化プログラム」の一部として、2012年から2016年までに実施される無収水対策支援事業をJICAが支援するもので、水資源の乏しいサンパウロ州における水供給事業の効率化を通じ、同地域の安定的な水供給を目指します。

7.実施機関であるSABESPは、ブラジル全人口の約22パーセントを占めるサンパウロ州の人口の3分の2に当たる約2,700万人に上下水道サービスを提供する中南米でも最大の水道事業体です。SABESPに対し、JICAは、生活廃水処理や無収水対策などの分野で、長年にわたり技術協力を実施してきました。無収水対策に係る管理手法および人材育成に係る技術移転を行った「無収水管理プロジェクト」(2006〜2010年)を通じ、ブラジル人専門家の無収水管理技術の向上に大きな成果がみられ、本円借款事業では、この成果の継承・発展が期待されています。また、日本から技術移転された無収水管理手法を生かし、JICAとSABESPが共同で周辺の南米諸国への技術協力(三角協力)を行っており、技術協力、円借款、三角協力といったさまざまな形態で、SABESPは国際協力のパートナーとなっています。これらの国際協力の業務への貢献により、SABESPは2011年、第7回JICA国際協力感謝賞を受賞し、今回の円借款の調印に合わせ、同賞の授与が行われました。

8.1908年に日本から移民が笠戸丸でブラジルに渡ってから、既に100年以上が経ちました。日系人の中からは、現在、ブラジルの発展に貢献する優れた人材も輩出されています。サンパウロ州は、ブラジルの日系人約150万人のうちの半数以上が暮らし、日本人移住の歴史をその地に刻んできた、日本にとって非常になじみの深い都市となっています。かの地で実施される本事業は、日本とブラジルの友好関係の強化にも貢献することが期待されます。

(参考)
1.借款金額および条件

案件名借款金額
(百万円)
金利
(%/年)
償還期間(年)据置期間(年)調達条件
本体コンサルティング・サービス
サンパウロ州無収水対策事業33,5841.70.01257一般アンタイド


2.事業実施機関
サンパウロ州上下水道公社
(Companhia de Saneamento Bsico do Estado de So Paulo -SABESP)
住所:Rua Costa Carvalho, 300, So Paulo/SP CEP 05429-000, Brazil
電話/ファクシミリ: (55-11) 33888247

3. 今後の事業実施スケジュール(予定)
(1) 事業の完成予定時期: 
2016年3月(施設供用開始時をもって事業完成)

(2) コンサルティング・サービス(詳細設計等)にかかる招請状送付予定時期:
2012年3月

(3) 本体工事にかかる国際競争入札による最初の調達パッケージの入札公示:
本体工事は全て国内競争入札を予定。