ニュースリリース

ラオス人民民主共和国向け円借款契約の調印

−7年ぶりのプロジェクト型円借款、基幹送電線整備によるラオス経済成長促進−

2012年03月20日

【写真】

調印後に握手を交わす、戸川正人JICAラオス事務所長(左)と、 ビエントン・シーパンドン財務副大臣

国際協力機構(JICA)は、3月20日、ラオス人民民主共和国の首都ビエンチャンにて同国政府との間で「南部地域電力系統整備事業」を対象として41億7,300万円を限度とする円借款貸付契約に調印しました。ラオスに対するプロジェクト型円借款は、2005年3月以来7年ぶりとなります。

ラオスは豊富な水資源を利用した水力発電により年間8,449ギガワット時(2010年)に上る電力を発電しています。発電量の79パーセントは長期売電契約に基づきタイなど近隣国に輸出されており、ラオスの主要な外貨獲得源となっていますが、その一方、国内電力需要の増加や送配電網の未整備から、近隣国からの電力輸入量も増加しています。実際、ラオスの国内電力需要は過去10年間で約3倍に拡大し、鉱工業の成長や一般家庭での消費電力の増加により、今後も引き続き需要が伸びると予測されています。

特にラオス南部のサバナケット県はベトナム・ラオス・タイを結ぶ東西経済回廊が通過し、同県ではその好立地を生かして経済特区の建設が進められています。今後サバナケット県周辺地域では電力需要の増加が見込まれるものの、域内では慢性的に電力が不足していて、将来的には電力供給に支障が生じることが危惧(きぐ)されています。他方、ラオス南部のサラワン県周辺では電源開発事業が多く計画されており、同地域の発電容量が今後拡大していく見込みです。そのため、余剰電力の発生が予測される地域と、電力が不足している地域をつなぐ送電線の整備が急務となっています。

本事業は、ラオス南部のサバナケット県およびサラワン県において115キロボルト送電線約200キロメートルとその関連施設を整備することにより、分断されていた国内の基幹電力系統を連結して、サバナケット県とその周辺地域の安定的な電力供給の実現を図るものです。本件にかかる貸付資金は、土木工事およびコンサルティング・サービス(入札補助、施工監理等)費用に充当されます。

JICAは過去に円借款「メコン地域電力ネットワーク整備事業(2005年3月貸付契約調印)」によってラオス中部(ボリカムサイ県)と南部(サバナケット県)をつなぐ115キロボルト送電線約300キロメートルおよび関連変電所の整備を支援しました。本事業で建設される送電線はこの送電線に接続して南部に延伸するものであり、ラオスの基幹電力系統の主要部分を日本の支援で整備することになります。

また、本事業の対象地においては東西経済回廊沿いの経済特区の整備や鉱物資源開発により、日系企業を含め外国企業による直接投資が増加傾向にあります。サバナケット県の経済特区への進出企業数は2011年時点で26社であり、うち3社が日系企業となっています。本事業の実施により電力不足の発生を回避し、ラオスの投資環境整備、産業育成に貢献することが期待されます。

(参考)

1. 借款金額および条件

案件名借款金額
(百万円)
金利
(%/年)
償還期間(年)据置期間(年)調達条件
本体コンサルティング・サービス
南部地域電力系統整備事業4,1730.010.014010一般
アンタイド


2. 事業実施機関
ラオス電力公社(Electricite du Laos)
住所:  Lao-Thai Mittaphab Road P.O.Box 309, 01000 Vientiane Lao P.D.R.
TEL: + 856 - 21 - 451519
FAX: + 856 - 21 - 416381

3. 今後の事業実施スケジュール(予定)
・ 事業の完成予定時期:2016年8月(施設供用開始をもって事業完成とする)
・ コンサルティング・サービス(詳細設計等)にかかる招請状送付予定時期: 2012年4月(予定)
・ 本体工事に係る国際競争入札による調達パッケージの入札公示予定時期: 2013年6月(事前資格審査の公示)
・ 調達パッケージ名
土木工事1(115キロボルト送電線建設)、土木工事2(新規変電所建設、既設変電所の増強)