ニュースリリース

カンボジア王国向け円借款契約の調印

−観光都市の発展に寄与する上水道整備−

2012年03月29日

【写真】

署名する鈴木康次郎JICAカンボジア事務所長(左)とキアット・チョン副首相兼経済財政大臣

国際協力機構(JICA)は、3月29日、カンボジア王国の首都プノンペンにて同国政府との間で「シェムリアップ上水道拡張事業」を対象として、71億6,100万円を限度とする円借款貸付契約に調印しました。

本事業は、アンコールワット遺跡群を有し、観光客の急速な増加と都市化が進む同国第3の都市シェムリアップ市において、取水施設、浄水場、配水管等からなる上水道設備の整備を行い、安全かつ安定的な上水道サービスの普及を図り、同市の生活環境の改善、観光産業の振興に寄与することを目的としています。本件に係る貸付金は、取水施設、浄水場、配水管等の整備、コンサルティング・サービス(詳細設計、入札補助、施工管理、人材育成)費用等に充当されます。

同国では、1990 年代初頭まで続いた内戦により上水道施設が破壊され、安全な水へのアクセスは極度に悪化しました。内戦終了後、プノンペン市を中心に我が国および他ドナーの協調により上水道サービスの改善がなされてきましたが、シェムリアップ市を含む地方都市の給水状況は依然として厳しい状況にあります。

本事業の対象地域となるシェムリアップ市は、近年の急速な人口増加に加え、年間280 万人を超える観光客を集めるアンコールワット遺跡群を有していることから、安全な水への需要が急速に拡大している一方で、既存の浄水場からの供給量が追いついていないため、給水事情は同国の主要地方都市の中でも最低水準にあり、上水道設備の早急な拡張が必要となっています。

これまでJICAは、日本の地方自治体の協力を得つつ、首都プノンペンを中心に、無償資金協力および円借款による上水道施設の整備、技術協力による水道公社等の能力強化を支援してきました。その結果、首都プノンペンにおいてはプノンペン水道公社による安全かつ安定的な上水道サービスの提供が自立発展的に行われつつあります。本事業の実施機関となるシェムリアップ水道公社についても、本事業によるハード面での整備に加え水道事業運営能力の改善も併せて支援し、自立発展性のある水道事業の運営を支援していきます。

2012年はASEAN議長国となるカンボジアにとって重要な年です。2015年にはASEAN統合が控えており、後発ASEANのカンボジアは、円滑な統合に向け、国民全体に対する安全な水の供給を含む様々な分野において、先発ASEAN諸国にキャッチアップすることが求められています。カンボジアにとって重要な局面・意味のある2012年に、同国を象徴するアンコールワット遺跡群を有すシェムリアップ市の上水道の整備を支援する本事業は、日本及びカンボジアの二国間関係においても象徴的な事業であるといえます。


【参考】借款金額および条件

案件名借款金額
(百万円)
金利
(%/年)
償還期間(年)据置期間(年)調達条件
本体コンサルティング・サービス
シェムリアップ上水道拡張事業7,1610.010.014010一般アンタイド


事業実施機関
シェムリアップ上水道公社(Siem Reap Water Supply Authority)
住所:Slor Kram village, Slor Kram Commune, Siem Reap District Province, Cambodia
TEL:063 963 395

今後の事業実施スケジュール(予定)
事業の完成予定時期:2018年6月(施設供用開始をもって事業完成とする)
コンサルティング・サービス(詳細設計等)にかかる招請状送付予定時期:2012年5月
本体工事に係る国際競争入札による調達パッケージの入札公示予定時期:2013年10月(事前資格審査の公示)

調達パッケージ名
土木工事1(取水施設、導水管建設)、土木工事2(浄水場建設)、土木工事3(配水管敷設)、土木工事4(配水管敷設)