初の南スーダン共和国向け無償資金協力贈与契約の締結

−首都ジュバのインフラ整備を通じ、新国家の社会・経済開発に貢献−

2012年6月28日

署名を終えたJICA南スーダン事務所の花谷厚所長(右手前)と、南スーダン共和国のエリアス・ニャムレル・ワコソン外務国際協力省副大臣

国際協力機構(JICA)は、6月28日、南スーダン共和国政府との間で「ジュバ市水供給改善計画」(供与限度額38億6,900万円)、「ジュバ河川港拡充計画(詳細設計)」(同7,500万円)、「ナイル架橋建設計画(詳細設計)」(同1億3,100万円)の3案件にかかる無償資金協力の贈与契約(Grant Agreement: G/A)を締結しました。これは2011年に独立した南スーダン共和国(以下、南スーダン)と交わされる初の無償資金協力贈与契約となります。

2005年に締結された南北スーダン包括和平合意(CPA)以降、帰還民の流入などにより首都ジュバの人口は2005年の16万人から2009年にはおよそ40万人と急増しており、今後も更なる増加が見込まれています。しかし、長期にわたった内戦の影響などにより、ジュバの都市インフラは極めて脆弱であり、改善が急務となっています。そのため南スーダン政府はCPA締結以降、南スーダンの「平和の定着」のため、継続してジュバの都市計画策定やインフラ復旧に取り組んでいる日本政府およびJICAに対し、上記3案件への支援を要請しました。

以前のJICA協力で整備した公共水栓の前で水汲みを待つ子どもたち

「ジュバ市水供給改善計画」は、ジュバ浄水場において施設の拡張および送配水管網・給水施設(8ヵ所の給水ステーションおよび120ヵ所の公共水栓)の新設を行うことにより、カバー率が8パーセント程度にとどまっているジュバ市の上水道普及率を50パーセント以上にすることを目指すプロジェクトです。

これに先行して、JICAは2010年よりジュバ浄水場を管理・運営する都市水道公社の能力強化を図る技術協力「南部スーダン都市水道公社 水道事業管理能力強化プロジェクト」を実施しています。両プロジェクトが連携しつつジュバ市の給水インフラ改善に寄与することが期待されています。

現在のジュバ河川港。JICAが以前整備した一部区間を除き、荷船は岸辺に直接乗り上げ、人力で荷の積み下ろしが行われている

「ジュバ河川港拡充計画(詳細設計)」は、国内の多くの幹線道路が未整備である南スーダンにおいて、幹線物流ルートとなっているナイル川を利用した河川交通の主要港として利用されるジュバ河川港の整備を行うプロジェクトです。ジュバ河川港は、南スーダンの発展に伴い、近年取り扱われる貨物量が飛躍的に増えています。JICAは本プロジェクトを通じて、200メートルの桟橋や120トンクレーンなど接岸施設、荷役・保管・管理施設の整備および機材調達を行うことで、同港の機能強化と安全性向上を目指します。今回の支援では、その施工などにかかる詳細設計のための資金が供与されます。今後、この詳細設計を受けてジュバ河川港の拡充が実施される予定です。

これに先行して、JICAは2011年より技術協力「南部スーダン内水輸送運営管理能力強化プロジェクト」においてジュバ河川港の管理組合の能力強化を支援しており、今後は港の機能強化と組合の体制強化の両面に対する支援を通じた相乗効果の発現に取り組む方針です。

現在の仮設のジュバ橋

「ナイル架橋建設計画(詳細設計)」は、南スーダンの重要な物流路線であるジュバとケニア・ウガンダをつなぐ幹線道路上に新規の架橋を建設することで、同路線の輸送力強化を目指すプロジェクトです。現在、上記幹線道路が通るナイル川には仮設のジュバ橋(南スーダン国内でナイル川を跨ぐ唯一の橋)が設置されていますが、老朽化が著しい上に、同幹線道路のルートが市内混雑を招いていることから、本ナイル架橋の建設ではこれらの課題を改善すべく、JICAによる調査が進められてきました。今回の支援では、そのナイル架橋の施工などにかかる詳細設計のための資金が供与されます。今回の詳細設計を受け、今後ナイル架橋の建設が実現する予定です。

また、JICAは2011年より技術協力「ジュバ市持続的な道路維持管理能力強化プロジェクト」を通じ、ナイル架橋に繋がる道路を含む道路維持管理能力向上にも取り組んでいます。

JICAは南スーダンに対する援助重点分野として「新国家建設支援(インフラ整備・ガバナンス能力強化)」、「基礎生活向上支援(BHN)」、「食料安全保障支援」を掲げており、その中でも特に国づくりの礎となるインフラの整備と、それを支える人材・組織の能力強化を重視しています。JICAは、今後も様々な援助手法を用いながら、新国家・南スーダンへの支援に引き続き貢献していきます。

【画像】