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総額31兆円の事業予算規模を誇る開発金融機関のネットワーク「国際開発金融クラブ(IDFC)」第1回年次総会と「グリーン成長に向けた官民連携」セミナーをJICAにて開催

−経済危機の下、資金協力を超えた途上国支援を通じた持続可能な開発実現への連携強化に合意−

2012年10月15日

10月14日、世銀・IMF年次総会開催の機をとらえ、国際協力機構(JICA)において、19の開発金融機関のネットワークである「国際開発金融クラブ(IDFC)」(注1)が、第1回年次総会を開催しました。JICAは、IDFCの主要メンバーとして、荒川博人理事が副議長を務め、IDFCの活動に積極的な貢献を行ってきたことから、今回、第1回年次総会をホスト開催することになったものです。

午後に行われた公開セミナーには100人以上の参加者が集まった

年次総会には、IDFC議長のドイツ復興金融公庫(KfW)、副議長のJICAのほか、フランス開発庁(AFD)、ブラジル国立経済社会開発銀行(BNDES)、南部アフリカ開発銀行(DBSA)、アンデス開発公社(CAF)などからCEO・長官らトップが集い、「グリーンファイナンス」(注2)ついて議論を行いました。今回の議論では、長期化する経済危機の中、IDFCメンバーは、民間金融機関では十分果たし得ない長期資金の提供や各種リスクを担う公的な金融機関としての役割に加え、グリーンファイナンスなど新たな分野への民間投資を促すために必要な途上国制度の構築支援、貧困削減に資する社会開発分野での支援を担っていくことが重要である、との認識が共有されました。

また、議論の結果、世界的な経済危機を受けた民間の経済活動の後退に対する反循環的(countercyclical)な各種役割を果たすとともに、長期的な視点で、よりグリーンな開発や貧困削減に資する社会開発分野での一層の協力強化を進める旨を確認し、その具体的な活動計画に合意しました。

スマートシティの推進に必要な政策についてコメントする荒川理事

IDFC年次総会に続き、同日午後に開催した公開セミナー「グリーン成長に向けた官民連携−成功事例、課題そして将来の可能性−」(後援:三菱東京UFJ銀行、日経BP社、IDFC)では、民間企業、研究機関、在京大使館などから100人以上の関係者が参加し、省エネ・再生エネルギー、都市開発分野(スマートシティ)を中心に、グリーン成長に寄与する各種インフラ(グリーンインフラ)整備を促すための方策について議論しました。グリーン成長はIDFCの2012年のテーマとなっていることもあり、今後より具体的な活動・作業を行う予定です。

セミナーでは、J-POWER、仏Alstom社、日立製作所をはじめとする民間企業のこれまでの事業実施を通じて得られた教訓などを基に、特に重要な課題を抽出し、IDFCメンバーを代表してJICA、BNDES、AFD、さらにはIFCなどが途上国における支援実績も参照しつつ、その解決方法について議論を深めました。

一般参加者からの発言を含めて活発な議論が繰り広げられ、グリーン成長の実現に向けて、官民連携を一層強化していくことの重要性が再確認されました。なかでも、各国・地域の開発金融機関が、譲許的かつ安定的な資金提供を行うとともに、その公的な性格を生かして、多様なリスクをコントロールし、事業者の革新的な技術の採用や、持続的かつグリーンなインフラサービスの提供を促すための政策や、制度・基準の策定を支援することの重要性が指摘されました。同時に、グリーン成長への取り組みを促すための国際的枠組みを構築し、IDFCメンバーを始めとした国際開発金融機関が積極的な役割を果たすことが重要だとする意見が多く出され、官民双方の関係者が今後の協力の方向性について議論する貴重な機会となりました。

JICAは、年次総会ならびにセミナーでの議論を踏まえ、IDFCの省エネルギーの作業部会を主導し、メンバーのこれまでの成功事例などをとりまとめ、分析し、メンバー間の具体的な連携事業の形成などをリードしていく予定です。


(注1)2011年9月、JICAを含む19の国・サブ地域の主導的な立場にある開発金融機関のトップが集い、メンバーの共通の関心事項について情報共有・連携を行う目的で立ち上がったグローバルなネットワーク。メンバーの事業規模は、総額で3,900億米ドル(約31.2兆円)に達し、世界銀行の729億米ドルを約5倍と大きく超え、長引く経済危機の下、欧州を中心とした民間市場での資金調達が困難になる中、途上国の開発支援における役割や発言力を増大させています。BNDES、DBSA、CAFなど新興国のメンバーは、今後、わが国企業の新興国への進出において、重要なパートナーとなっていくことが期待されています。
(注2)経済成長と環境保全との両立をめざす概念であるグリーン成長に寄与する、再生エネルギー、省エネルギーなどの事業に対するファイナンスです。

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