パキスタン・イスラム共和国向け円借款「ポリオ撲滅事業」 ゲイツ財団による返済が決定

−新たな援助手法によるゲイツ財団との連携を通じてポリオ根絶に貢献−

2014年4月14日

国際協力機構(JICA)は、4月1日、パキスタン・イスラム共和国(以下、パキスタン)向け円借款「ポリオ撲滅事業」(2011年8月15日貸付契約調印、限度額:49億9,300万円)について、同国政府が一定の事業成果を達成したことを確認し、ビル&メリンダ・ゲイツ財団(以下、ゲイツ財団)がパキスタン政府に代わり本件円借款を返済することを決定しました。

本事業では、円借款を呼び水として民間資金を動員する初めての試みとして、事業成果の達成確認をもって、ゲイツ財団が本円借款の債務全額についてパキスタン政府の代わりにJICAに弁済を行う、ローン・コンバージョン・スキームが採用されていました。

パキスタンの妊産婦死亡率および乳児死亡率は、南アジア諸国の中で劣悪な水準にあり、特にポリオについては世界の未撲滅国3ヵ国の一つ(ほかはアフガニスタン、ナイジェリア)となっています。本事業は、パキスタン全国に対するポリオ・ワクチン調達、その投与のためのポリオ・キャンペーン実施を通じ、5歳未満児に対するポリオ・ワクチン接種を促進することにより、同国におけるポリオの早期撲滅に寄与するものです。

本事業により、2011年9月から2013年10月までパキスタン全国で予防接種キャンペーンが実施され、高いワクチン接種率などの事業成果の達成が確認されています。パキスタンにおいては、同国政府の強いイニシアティブ、そして、わが国および国際社会による支援の結果、ポリオ発症地域が限定的になりつつあります。

わが国は、これまでにも、パキスタンにおけるポリオ対策支援として、ユニセフとの連携による無償資金協力「ポリオ撲滅計画」(1996〜2010年度)、および「ポリオ感染拡大防止・撲滅計画」(2011〜2013年度)を通じたポリオ・ワクチン調達支援や、定期予防接種活動の拡大を目標とする「EPI(注)/ポリオ対策プロジェクト」(2006年度〜2011年度)等、ポリオ撲滅に向けたパキスタン政府の取り組みを継続的に支援してきました。パキスタンにおけるポリオ撲滅の実現に向け、今後も、同国政府および国際社会と協力しつつ支援を進めて参ります。


(注)EPI:拡大予防接種プログラム(Expanded Program on Immunization)。1974年に世界保健機関(WHO)とユニセフなどが協働して開始されたものであり、5歳児未満児死亡の大きな原因であったジフテリア、破傷風、百日咳、ポリオ、麻疹、結核の6種の疾病に対する予防接種を行うもの。


関係機関紹介

ゲイツ財団(Bill & Melinda Gates Foundation)
誰の人生にも同じ価値があるとの信条に基づき、ゲイツ財団はすべての人々が健康的で生産的な生活を送れるよう活動している。途上国に対しては、健康問題や飢餓や極度の貧困からの脱出に対する支援に焦点を当て、米国では、すべての人々、特に貧困層の人々が教育機会や通常の生活を送る機会を得るための支援を行っている。ワシントン州シアトルに本部があり、ビルおよびメリンダ・ゲイツ夫妻(共同議長兼管財人)とウォーレン・バフェット氏(管財人)の下、ジェフ・レイクス氏がCEOとなり、ゲイツ氏の父親ウィリアム・H.ゲイツ.Sr.氏も共同議長を担っている。