民間提案型のPPPインフラ事業調査で、3件の採択を決定

−フィリピン、ミャンマーでわが国インフラシステム輸出に貢献するPPPインフラ事業形成を支援−

2014年5月21日

国際協力機構(JICA)は、官民連携で取り組むPPP(Public Private Partnership)インフラ事業に関し、民間からの提案に基づき事業計画策定を実施する枠組み「協力準備調査(PPPインフラ事業)」の調査案件3件の採択を決定しました。(別表:採択案件一覧表参照)これらは、2013年11月15日付の公示に対する調査対象案件を採択したもので、通算8回目となります。今回の公募では、14件の提案が、31法人より提出されました。

今回は採択3件のうち、フィリピンに関する案件が2件採択されました。順調な経済成長を見せるフィリピン共和国における本邦企業によるPPPインフラ事業提案への支援を行います。

具体的には、同国南部ミンダナオ島南アグサン州ワワ川において、環境に配慮した流れ込み式による小水力発電所の事業化に向けた調査を行います。この調査は、今年3月に和平合意が締結されたミンダナオ島において電源開発を支援するものであり、フィリピン政府が推進する再生可能エネルギーによる電源開発政策を踏まえ、本邦企業の技術を活用した事業展開が期待されます。

また、フィリピンの10ヵ所の地域において、地域住民の医療ニーズを充足するための、ASC(外来手術センター) および病院(専門病院または総合病院)開発の事業化に向けた調査を行います。日本政府のインフラシステム輸出戦略や健康医療戦略において、JICAによる協力準備調査(PPPインフラ事業)や、海外投融資の積極的活用がうたわれている中、本調査制度による、初めての医療分野における支援事例としての実現が期待されます。また、本調査を通じて、日本式の病院建設・運営(日本のコンテンツ導入)による比医療ニーズ充実への貢献が期待されます。

さらに、ミャンマーにおいて、ヤンゴン環状鉄道線の近代化を目指したインフラ整備と、駅および駅周辺の一体開発を推進する事業の事業化に向けた調査が採択されました。フィリピンの2件と併せ、東南アジア地域における電力開発、都市開発、医療分野におけるわが国のインフラシステム輸出に貢献する案件への支援が予定され、「日本再興戦略」や「インフラシステム輸出戦略」等の日本政府施策推進に貢献するものとなっています。

今回の採択案件は、事業の必要性、実現の可能性、官民の役割分担、円借款や海外投融資による資金供与の可能性、および開発効果等の視点から総合的に評価し、選定したものです。

新興・開発途上国におけるインフラ整備においては、建設段階のみならず、完工後の運営・維持管理を含めたインフラ事業の一部に民間活力を導入し、さらに高い効果と効率性を目指す、官民協働によるインフラ整備の動きが世界的に拡大しています。PPPインフラ事業においては、官民の適切な役割分担を策定するために、案件形成の初期段階から官民連携で取り組むことが重要となります。本制度は、ODA資金の活用を前提としたPPPインフラ事業の民間部分への投資を計画している民間法人から事業提案を公募し、当該提案法人にJICAが調査を委託するもので、調査費用のうちJICAが負担する上限は1億5,000万円となっています。調査は、官民双方の役割分担を含むPPPインフラ事業全体を対象に、事業化に向けた計画策定を行うことを目的としています。

本調査制度は、日本政府が策定を進めている成長戦略において重要政策課題とされている、わが国民間企業の強みを生かした海外でのインフラシステム輸出の具体的推進策のひとつとしても注目を集めています。

JICAは、今後も、膨大なインフラ整備需要を抱える開発途上国の経済成長を支援するため、わが国民間セクターの資金や活力を効果的に引き出し、活用する役割を、本調査制度を活用・改善しながら推進し、開発途上国・民間セクター・ODAがWin-Win-Winとなる官民パートナーシップ関係の構築を進め、より効果的で効率的な援助を目指して活動していきます。