国連人道問題調整事務所(OCHA)と業務協力協定を締結

−複雑化する人道支援ニーズに効果的に対応するため連携を強化−

2014年7月23日

署名を終えたエイモス人道問題担当国連事務次長(左)と田中理事長

国際協力機構(JICA)と国連人道問題調整事務所(UN Office for the Coordination of Humanitarian Affairs: OCHA)は、7月23日、新たなパートナーシップを構築するため、業務協力協定(MOU)を締結しました。国際人道支援を取り巻く環境が目まぐるしく変化する中、このMOU締結で、両機関は複雑化する人道ニーズに対して、より効果的に対応していく決意を新たにしました。署名は、東京にて訪日中のヴァレリー・エイモス人道問題担当国連事務次長兼緊急援助調整官と田中明彦JICA理事長との間で行われました。
 
長期化する内戦や地域紛争に加え大規模自然災害の頻発により、人道支援を必要とする状況は増加の一途をたどっています。昨今の例だけでも、イラク、パレスチナ自治区、シリア、南スーダン、中央アフリカ、ウクライナ、フィリピンなど枚挙にいとまがありません。人道支援機関と開発援助機関の双方とも、人道危機への対応のみならず、リスクを予測、予防、そして軽減し、危機に瀕している人たちのレジリアンス(強靭さ)を強化するため、これまで以上に協力していく必要に迫られています。

東京では同時期に、「世界人道サミット」北・南東アジア地域準備会合が開催されています。 OCHAおよびJICAを含む人道支援関係者100人以上が参加し、四つのテーマ(1.効果的な人道支援の実現、2.脆弱性の低減とリスク管理、3.支援を変容させていくためのイノベーション、4.紛争下で苦しむ人々のニーズに応える)を中心に協議しています。

今般のMOU締結を受けて、今後、OCHAとJICAは特に開発途上国の災害対応能力向上を支援するため、新たな連携と協働の可能性を追求していきます。これには、災害対応を担う政府機関への支援、日本の知見や高い専門性を持つ人材を生かした緊急援助への貢献、援助調整への積極的な参加、人道支援活動を支えるさまざまなツールやサービスの開発などが含まれます。

JICAの田中理事長は「人道支援組織と開発援助組織の協働は不可欠で、実際、人道支援と開発援助の継ぎ目などは存在しません。双方がお互いに緊密に連携しながら同時進行で計画をすすめることが重要です。OCHAとJICAの連携で、人道と開発のつながりが強化され、より効果的な切れ目の無い支援が実現できると信じています」と述べました。

また、今回のMOU締結を記念したシンポジウム「開発援助と人道支援の連携による新たな可能性」では、現在の国際人道支援を取り巻く環境に加え、人道支援機関と開発援助機関が、より効果的に人道ニーズに応える方法について議論しました。「OCHAとJICAとの新たな連携により、いざという時に災害に対応できるような備えをより戦略的に進め、災害リスクが高い国の政府やコミュニティーに加えて、特に災害が起こった際、まず真っ先に支援の手を差し伸べる人々(ファーストレスポンダー)の能力強化を、より効果的に促進していけるものと確信しています」とエイモス国連事務次長は強調しました。