ベトナム社会主義共和国「中小企業・小規模事業者向けレンタル工業団地開発事業」に対する海外投融資貸付契約の調印

−ベトナムの裾野産業育成を支援し、日本企業の海外進出促進にも貢献−

2015年8月13日

署名式の様子

国際協力機構(JICA)は8月13日、ベトナムの大手国営銀行であるベトナム投資開発銀行(Joint Stock Commercial Bank for Investment and Development of Vietnam : BIDV)との間で、「ベトナム国中小企業・小規模事業者向けレンタル工業団地開発事業」を対象とした貸付契約に調印しました。本件は、2012年10月に再開されたJICAの海外投融資業務において、初の地方自治体との共同投融資事業となります。

本事業は、ベトナム南部のドンナイ省(ホーチミン市中心部から南東約25km)に位置するニョンチャックIII工業団地内において、約18haを対象にレンタル工業団地開発事業を行うために必要な資金をJICAが海外投融資を通じて支援するものです。

本事業を実施する特別目的会社は、株式会社フォーバルが現地企業との共同出資により2015年6月に設立したJapanese SMEs Development JS Company(以下「SPC」)であり、支援の実施にあたっては、JICAからBIDVに対して融資が行われ、同銀行からSPCに転貸が行われます(事業スキーム図参照)。また、県内企業のベトナム進出を促進するため、SPCに対して埼玉県が出資参画を予定しており、地方自治体が海外の工業団地運営会社に出資する初の取組となっています。

<事業スキーム>

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ベトナムは「2020 年までに近代的な工業国を目指した基盤を作る」ことを国家目標として掲げている一方で、裾野産業が十分発達していないことが従来から指摘されていました。そのためベトナム政府は、技術力のある海外の中小企業の誘致等を通じ、これら海外企業とベトナム国内企業の取引を促進することで、国内裾野産業の育成を図ろうとしています。本事業は日本の中小企業・小規模事業者が進出しやすい工業団地を整備することでベトナムの裾野産業育成に寄与するものです。

日本政府の「日本再興戦略」では、中小企業・小規模事業者に対する重点支援として、「海外展開支援体制の強化」が掲げられており、また「地方創生」に係る政策においても、「地域の中堅・中小企業への海外展開・販路開拓等の支援実施」が挙げられています。本事業は株式会社フォーバルと共にJICA、埼玉県、フォーバルの業務提携先である日本全国の金融機関(地銀・信金など24機関)とが連携して、埼玉県をはじめとする全国の中小企業・小規模事業者の海外進出を支援するものであり、前述の日本政府が推進する政策を具体化するものとなります。JICAは埼玉県や金融機関が中小企業・小規模事業者向けに手厚い支援が出来るよう、ベトナム政府との対話等を通じた環境整備を予定しています。埼玉県は出資による県内企業向け優先ゾーンの確保等を通じて、また業務提携先である金融機関は県内企業への情報提供を通じて、県内企業の海外進出支援を予定しています。

事業が行われるドンナイの省政府は、入居企業となる日本の中小企業・小規模事業者とベトナム国内企業との取引を通じて、本レンタル工業団地が同省における裾野産業育成のモデル工業団地になることを強く期待しており、JICAとしても本事業に対する融資に加え、裾野産業育成に資する技術支援を予定しています。

<レンタル工業団地完成予想図>

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