ミャンマー向け無償資金贈与契約の締結:洪水被災地の復興を後押し

2015年10月2日

署名式の様子

国際協力機構(JICA)は、9月24日及び10月1日に、ミャンマー連邦共和国政府との間で、無償資金協力の贈与契約(Grant Agreement:G/A)を締結しました(計2件、総額39億8,200万円を限度とする)。今次締結した無償資金協力案件は以下のとおりです。

なお、2015年7月中旬から続く豪雨に伴う大規模な洪水により、今回G/Aを締結した2案件の対象地域でも甚大な人的・物的な被害が発生しました。これらの案件の実施を通じて、被災地の復興のためのインフラ整備、また安全で安定的な水へのアクセス改善が促進することが期待されます。

(1)第二次中央乾燥地村落給水計画
(9月24日にG/A締結、供与限度額12.42億円)

ミャンマーの中央に位置する中央乾燥地(マンダレー地域、マグウェイ地域及びザガイン地域)では、ミャンマー総人口の約30%(2014年)が生活を営んでいます。同地域の降雨量は年間400〜880ミリメートルと少なく、5月〜10月の雨期に不均等に集中しており、ミャンマーの中で最も暑く乾燥した土地となっています。生活用水はため池や地下水に依存していますが、乾期になると水源の枯渇・水質悪化により小さなため池や浅井戸を使用できなくなるといった課題が頻発しています。そのため、住民は村から数キロメートル以上離れた水源への水汲みを余儀なくされる等、安全な水の確保が困難な状況に直面しています。

本事業は、トラック搭載型掘削機(掘削深度200m級及び250m級)及び付属品、エアーコンプレッサー、トラック(クレーン付き)、孔内検層機、水中ポンプ、ケーシング・スクリーン、揚水試験装置等の井戸掘削に必要な機材を整備するものです。中央乾燥地の新規水源開発に必要となる深井戸建設の資機材等を調達することにより、対象地域における安全で安定的な水の確保に貢献することが期待されます。

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(2)カチン州及びチン州道路建設機材整備計画
(10月1日にG/A締結、供与限度額27.4億円)

ミャンマー国内の道路総延長(約159,000km)の内、舗装道路(アスファルト舗装またはコンクリート舗装)は全体の約23%(約37,000km)にとどまっています。そのような状況の下、ミャンマー政府は「30年道路整備計画」(2001年〜2030年)を策定し、舗装化をはじめとした目標を達成するために全国の道路整備事業を進めています。

ミャンマーにおいて特に開発が遅れ最も貧しい地域であるカチン州(面積8.9万km2、人口129万人)及びチン州(面積3.6万km2、人口48万人)では、豪雨による道路崩壊や地すべり等の土砂災害、橋梁の流失等が多く発生し、道路整備が他の州や地域より遅れています。州都と地方都市を結ぶ主要幹線道路は劣悪な状態にあり、地域住民の公共サービスへのアクセス確保や安定した物流網構築による経済活動を支えるための道路整備が大きな課題となっています。

本事業は、開発が遅れているカチン州及びチン州において、道路建設用機材を新たに調達することでカチン州の道路141kmとチン州の道路109kmが整備・拡張され、道路整備の促進と経済活動の活性化が期待されます。また、道路整備に必要な知識を技術移転するために建設省中央訓練センターにて技能講習を実施します。これにより、道路整備の技術力の向上を図りインフラ整備の質の向上にも貢献します。

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