パプアニューギニア向け円借款契約の調印:第二の都市のナザブ空港を整備し、地域のさらなる活性化を支援

2015年10月14日

署名式の様子

国際協力機構(JICA)は、10月14日、東京にてパプアニューギニア政府との間で「ナザブ空港整備事業」を対象として269億4,200万円を限度とする円借款貸付契約に調印しました。

本事業は、当国内の産業・物流の拠点であるレイ市の郊外にあるナザブ空港において、旅客ターミナルビルの新設及び滑走路改良等を行うことにより、増加を続ける航空旅客需要に対応し、また首都にあるポートモレスビー国際空港の代替空港として航空輸送の安全性・利便性向上を図り、もって当国北部地域の経済成長促進に寄与するものです。本件にかかる貸付資金は、ナザブ空港の旅客ターミナルビルの新設や滑走路・誘導路等の拡幅・舗装強化等に係る土木工事、資機材の調達及びコンサルティング・サービス(入札補助、事業全体管理、施工監理)費用等に充当されます。

なお、本事業に対する円借款には本邦技術活用条件(STEP)が適用され、低電力化のためのLED照明、省エネ型空調や、環境負荷を低減する上下水システム等の日本の技術の活用が期待されます。

本事業の対象となるレイ市は首都ポートモレスビーに次ぐ第二の人口規模(約12万人)を有しています。同市は、モロベ州やハイランド地方で収穫される農作物の集積地であることや、国内最大の貨物取扱量を誇るレイ港を有すること、さらに、人口が密集し農業が盛んで数多くの天然資源開発プロジェクトも位置するハイランド地方と幹線道路で結ばれていることから、地域の産業・物流の拠点となっています。一方で、ナザブ空港では年間旅客数が一貫して増加を続けており、既存施設の収容能力では今後の更なる需要増加に対応が難しくなっています。また、既存の旅客ターミナルビルは建設後40年以上が経過しており、近代的な設備がなく、手荷物処理や保安検査を人力で行っているため、ピーク時には大きな混雑を招いているほか、老朽化が著しく、効率的な空港運営に支障を来たしています。

パプアニューギニア政府は、「開発戦略計画2010-2030」や「中期開発計画2011-2015」といった中長期政府開発計画において、国内の空港が国際的な安全基準を満たすよう改修することが急務であるとし、特に同国の産業拠点であるレイ・ナザブ地域の活性化に伴う空港機能強化の必要性を強調しています。さらに、運輸交通セクターの長期戦略である「国家交通戦略2011-2030」では、ポートモレスビー国際空港を利用する航空機の代替受け入れが可能な近傍の代替空港としてナザブ空港を整備することが明記されています。本事業は、これらの政策の実現に貢献するものです。さらにポートモレスビー国際空港の代替空港としての機能強化は、航路の効率化と航空燃料の使用削減にも繋がり、温室効果ガスの排出削減に貢献することも期待されています。

JICAはこれまでも、同国の航空セクターに対し、「ポートモレスビー国際空港整備事業I・II」に対し約126億円の円借款を供与しているほか、「新ラバウル(トクア)空港緊急整備計画」(1995〜1997年)の無償資金協力の実施にも関与しています。また、技術協力を通じ、「PNG地方空港整備事業」(2011年)ではナザブ空港を含む国内主要空港の現況調査を行ったほか、「空港開発計画策定支援」(2013年)でポートモレスビー、ナザブ両空港の既存マスタープランの改訂の支援も行っています。今後も、同国の持続的な経済成長に向けた取り組みを支援していきます。

(参考)
1.借款金額及び条件

案件名 借款金額
(百万円)
金利
(%/年)
償還期間(年) 据置期間(年) 調達条件
本体 コンサルティング・サービス
ナザブ空港整備事業 26,942 0.10(注) 0.01 40 10 日本タイド

(注)本邦技術活用条件(STEP)を適用

2.事業実施機関
パプアニューギニア空港公社(National Airport Corporation Limited)
住所: Head Office , Level 1 Domestic Terminal, Jacksons International Airport, 7 Mile, Port Moresby, Papua New Guinea
TEL:+675-324-4536、FAX:+675-325-0870

3.今後の事業実施スケジュール(予定)
(1)事業の完成予定時期: 2020年11月(施設供用開始時をもって事業完成)
(2)コンサルティング・サービスにかかる招請状送付予定時期:2015年11月
(3)本体工事に係る国際競争入札による最初の調達パッケージの入札公示:
調達パッケージ名:本体工事(1パッケージ)
公示予定時期:2017年1月

4.JICAの情報提供窓口
本事業の調達スケジュールに関する情報は、下記窓口にお問い合わせください。
国際協力機構 東南アジア・大洋州部 第六・大洋州課
(Contact Point for Pacific and Southeast Asia Division 6, Southeast Asia and Pacific Department)
住所:〒102-8012
東京都千代田区二番町5-25 センタービル
TEL:03-5226-2188