JICA-JAXA 「だいち2号」を用いた森林変化検出システム構想を発表:地球全域での熱帯林伐採・減少の状況を常時監視し、世界中からアクセス可能に

2015年12月2日

独立行政法人国際協力機構(JICA)と国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、12月1日、JAXAの陸域観測技術衛星2号「だいち2号」(ALOS-2)を用いて熱帯林の伐採・減少の状況をモニタリングする新たな「森林変化検出システム」の構築を中心とした、「森林ガバナンス改善イニシアティブ」をパリで開催中の第21回気候変動枠組条約締約国会議(UNFCCC-COP21)のジャパン・パビリオンにおいて発表しました。

本イニシアティブは、世界の熱帯林保全に貢献するため、JICA、JAXAおよび賛同いただく民間企業が連携し、「森林変化検出システム」の構築を始め、同システムを活用するための途上国の人材育成や、世界各地における森林保全の優良事例の発信等に取り組んでいくものです。

JICAとJAXAが本イニシアティブのもとで新たに構築する「森林変化検出システム」は、地球全域での熱帯林伐採・減少の状況を常時監視し、世界中からアクセス可能にします。検出結果を平均約1.5ヶ月毎に更新し、解像度50mの精度にて来年度からJAXA等のウェブ上で公開していく予定です。これにより、森林減少が深刻な国々の違法伐採等が抑止され、長期的には森林減少を抑制することによる気候変動の有効な対策として期待されます。

熱帯林は(二酸化)炭素の巨大な貯蔵庫であり、その保全は気候変動対策としても非常に重要です。しかしながら、違法伐採等により熱帯林は減少の一途をたどり、その対策は世界的に喫緊の課題となっています。JAXAの衛星「だいち2号」が搭載している観測装置のLバンド合成開口レーダ(PALSAR-2)は、森林の観測に適したLバンドの波長を用いており、天候や昼夜に関わらず地上を観測することができ、1年の多くが雲に覆われてしまう熱帯林地域であっても、年間を通じて違法伐採のモニタリングや森林の監視が可能となります。

2009年から2012年にブラジルで実施したJICAの技術協力では「だいち2号」の前号機の「だいち」の観測データを用いて違法伐採のモニタリング、検知を準リアルタイムで実施する支援を行い、2,000件以上の違法伐採を検知、森林減少面積を40%減少させることに大きく貢献しました。「だいち2号」では、2種類の反射電波を用いて解析することで、森林減少域の検出精度を向上します。

JICAとJAXAは、宇宙航空技術を活用して開発途上地域が直面する多様な開発課題および地球規模課題の解決に貢献することを目指して、2014年4月に連携協力協定を締結しました。この協定に基づき、「だいち2号」を活用した今回の「森林ガバナンス改善イニシアティブ」を立ち上げます。

「だいち2号」の観測データを用いた違法伐採監視については、アマゾンのあるブラジルなど熱帯林を有する各国から高い関心が寄せられており、このような関心を踏まえ、JICAとJAXAが共同で「森林変化検出システム」を構築し、世界に公開していくこととしました。JICAとJAXAは衛星技術を活用し、今後も世界の熱帯林保全に貢献していきます。

【ウェブサイトのイメージ図】

【画像】

※ウェブに公開する森林伐採のポリゴンイメージ図です。森林の減少領域を約1.5月毎に、50m分解能の画像として公開します。