国連生物多様性条約事務局と連携協力協定を締結:持続可能な開発の実現に向けて、生物多様性の保全と利用に関する国際合意への貢献を強化

2015年12月7日

署名式の様子

国際協力機構(JICA)は、12月4日、フランスのパリで開催中の気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP 21)の会場にて、国連生物多様性条約事務局(SCBD)(注1)と連携協力協定を締結しました。本MOCでは、本年9月の国連総会で正式採択された持続可能な開発目標(SDGs)の達成をめざすという共通認識のもと、生物多様性条約(CBD)の「生物多様性戦略計画2011〜2020」(愛知目標)(注2)の達成に向けて、両機関で協力していくことを合意するものです。

この戦略計画は、2010年に名古屋で開催された同条約の第10回締約国会議(COP 10)にて、日本が議長国として採択を率いた世界目標です。

JICAは、これまで取り組んできた生物多様性分野での経験を踏まえ、今後、本連携協力協定を通じて、生物多様性の保全と持続可能な利用において牽引的な役割を担うSCBDと協力しつつ、生態系サービスへの支払い(PES)や遺伝資源へのアクセスと利益配分(ABS)などの、条約に基づく新たな国際ルールやメカニズムに関する途上国支援を強化していきます。

また、SCBDが作成する条約実施のための指針やツールにJICAの持つ国際協力の経験やノウハウを反映するなど、両者の強みを生かし、知見を共有することで、一層効果的な事業を展開していくことを目指します。

生物多様性条約は、生物多様性の保全、その構成要素の持続可能な利用、遺伝資源の利用から生ずる利益の公正で衡平な配分、の3つを目的とする国際環境条約です。SCBDは、日本政府が拠出する生物多様性日本基金(注3)を活用し、生物多様性を生かした開発の実現に向けた政策や事業の指針づくりや、途上国の政府や自治体がこれらの政策を実行していくためのキャパシティビルディングを行っています。また近年では、国連持続可能な開発目標(SDGs)の策定プロセスに参画し、生態系サービスや自然資本を考慮した持続可能な開発の推進にも取り組んでいます。

(注1)国連生物多様性条約事務局(SCBD:The Secretariat of the Convention on Biological Diversity)概要
代表者:Braulio Ferreira de Souza Dias(国連生物多様性条約事務局長)
所在地:カナダ・モントリオール
設立年:1996年
概要:国連環境計画(UNEP)の下に設置され、CBDの締約国会議や補助機関等の会合の準備、関係実施機関間の調整を担う。また、各国における条約実施を支援するための政策や技術面のガイダンス、情報の集積・発信、能力強化や啓発教育などの取り組みを行っている。

(注2)「生物多様性戦略計画2011〜2020(愛知目標)」
COP10にて採択された、生物多様性条約(CBD)の2011年から2020年までの基本的方向性と新たな世界目標をまとめた計画。2050年までに「自然と共生する」世界を実現するビジョン(中長期目標)のもと、2020年までに回復力のある生態系とそこから得られる恩恵の継続を実現するミッション(短期目標)、5つの戦略目標、及び20の個別目標(愛知目標)を掲げています。

(注3)生物多様性日本基金
COP10決議の実施を推進するために日本政府が設立した基金。愛知目標の達成に向けて、途上国での国家戦略の策定、科学的知見の集積、人材育成を支援することを目的として、SCBDに対し50億円を拠出。

関連リンク: