インド向け円借款契約の調印:マハラシュトラ州の下水道施設整備により住民の衛生・生活環境改善に貢献

2016年1月13日

署名式の様子

国際協力機構(JICA)は、1月13日、インド政府との間で、「プネ市ムラ・ムタ川汚染緩和事業」を対象として総額190億6,400万円を限度とする円借款貸付契約に調印しました。

インドでは、人口増加や経済発展に伴う上水需要の増加に伴い下水処理能力をはるかに超える汚水が未処理のまま放流されています。この結果、河川や土壌、地下水の水質汚濁、汚染された水を媒介とする感染症、地域住民の健康被害、汚水を発生源とする悪臭が生じており、地域住民の衛生・生活環境が脅かされている状況です。「プネ市ムラ・ムタ川汚染緩和事業」では、人口増加が急速に進むマハラシュトラ州プネ市内の下水道施設等を整備することにより、同市内を流れる河川水質改善及び同市内及び下流域住民の衛生・生活環境の改善に貢献するものです。

マハラシュトラ州プネ市(2011年時点で人口約312万人)は、インド第二位の人口を抱えるムンバイ市から南東約170kmに位置しています。急速な都市化と人口増加を遂げる同市では、汚水の排水量も増加しており、市街地からの汚水排水量728,000立方メートル/日のうち、既存処理場の処理能力である476,000立方メートル/日を越える汚水は、同市を流れるムラ川、ムタ川及びムラ・ムタ川 (総延長48km)に未処理のまま垂れ流されている状況です。その結果、同河川はインド国内の最も汚染された河川の一つに指定されており、今後も増加する同市の汚水量に対応することが可能な下水処理施設の整備が喫緊の課題となっています。

本事業では、マハラシュトラ州プネ市において、2027年の上水道使用量に対応する下水処理場(11箇所/396,000立方メートル/日)を建設することに加えて、同地域において下水管網や公衆トイレの整備等を実施し、同市を流れるムラ川、ムタ川及びムラ・ムタ川の水質汚染改善、並びに同地域及び同河川の下流域住民の衛生・生活環境の改善に寄与するものです。

本事業では、下水処理場、ポンプ場、下水管、遠隔制御設備(SCADA)、小規模バイオガス発電等の下水道施設の整備に加えて、下水道施設の運営・維持管理を担う関係機関の能力強化活動や地域住民に対する啓発活動を実施します。本借款の貸付資金は、上記下水道施設の建設・改修工事及びコンサルティングサービス(入札補助、施工監理等)に充当されます。

(参考)
1.借款金額および条件

案件名 借款金額
(百万円)
金利
(%/年)
償還期間(年) 据置期間(年) 調達条件
本体 コンサルティング・サービス
プネ市ムラ・ムタ川汚染緩和事業 19,064 0.3 0.01 40 10 一般アンタイド

※「環境・気候変動分野」優先条件を適用。

2.事業実施機関
国家河川保全局(National River Conservation Directorate)
住所:Paryavaran Bhawan, C.G.O Complex, Lodhi Road, New Delhi - 110003, India
TEL:+91-24365020、FAX:+91-24369382

3.今後の事業実施スケジュール(予定)
(i)事業の完成予定時期:2022年2月(施設供用開始時をもって事業完成)
(ii)コンサルティング・サービス(施工監理等)にかかる招聘状送付予定時期:2016年2月
(iii)本体工事に係る国際競争入札による最初の調達パッケージ入札工事:
下水処理施設の整備2017年2月