日タイ・パートナーシップによる技術協力プロジェクトの実施合意文書の署名: UHC推進のグローバル展開に貢献

2016年1月28日

合意文書の署名を行う池田修一JICAタイ事務所長、ソポン・メークトン タイ保健省次官、プラティープ・タナキッチャルーン国民医療保障機構副事務総長。

武見敬三参議院議員・2016年G7に向けたグローバルヘルス・ワーキンググループ委員長(前列右端)同席の元で行われた署名式には、柳沢香枝JICA理事及びピヤサコン・サコンサタヤトン タイ保健大臣の他、日本およびタイの関係省の政府関係者らが多数出席。

国際協力機構(JICA)は、2016年1月27日、タイ政府との間で、技術協力プロジェクト「グローバルヘルスとユニバーサルヘルスカバレッジ(UHC※)のためのパートナーシッププロジェクト」に関する実施合意文書(Record of Discussion: R/D)に署名しました。本事業は、日本とタイの協働により、今後4年間にわたり、ASEAN域内のみならず、アジア・アフリカを含む世界におけるUHCの推進に貢献するものです。

本事業では、日本の50年以上に及ぶ医療保険制度運営や高齢者医療の経験に基づき、タイ関係者の日本への招へいや、経験を有する日本の専門家の現地派遣を通じて、タイへの技術協力を行います。また、本事業は、すべての人々が基礎的保健医療にアクセスできる世界を目指して、日本とタイが協働し世界の保健課題に取り組む、新たなパートナーシップを象徴するプロジェクトです。

タイは、2002年に、「ユニバーサルカバレッジ制度」を開始したことで、ほぼ全ての国民の医療保障制度加入を実現しました。同国は、低・中所得国の中でも早期にUHCを達成した経験を活かし、近年では、UHCに関する他国への支援を積極的に実施しています。一方で、タイ国内では、医療費の公的支出増や、急速な高齢化などを背景に、医療財政の持続性や保健医療サービスの充実及び制度の運営管理の改善が課題となっています。

このような背景のもと、本事業では以下の取り組みを行います。

1.高齢化に対応した持続的なUHCに関するタイ政府への政策提言とタイの保健医療に従事する人材の能力強化
2.UHC達成を目指すアジア、アフリカ各国への支援と学び合いの促進
3.UHCに係る経験や教訓のグローバルな発信

案件基礎情報

【国名】タイ王国
【案件名】グローバルヘルスとユニバーサルヘルスカバレッジのためのパートナーシッププロジェクト
【実施予定期間】2016年〜2020年
【実施機関】国民医療保障機構、保健省
【対象国】タイおよび参加国(ASEAN域内・外)
【具体的事業内容】
1.日本の経験を活用し、タイ国内のUHCの持続性の確保や高齢化にも対応する保健システムの向上に必要な政策提言、それに係る人材の能力強化を行う
2.日本とタイの協力により、UHCの達成を目指す開発途上国の取り組みを支援し、参加国間で相互の学び合いを促進する
3.本事業を通じて得られたUHCや保健システムの強化に係る各国の経験や教訓をグローバルに発信する

※UHC:UHCとはすべての人が、適切な健康増進、予防、治療、機能回復に関するサービスを、支払い可能な費用で受けられる」ことを指す。UHCの実現は、2012年12月の国連総会で国際社会の新たな共通目標として決議されている。
UHCに関しては、2015年9月に日本政府が策定した「平和と健康のための基本方針」において政策目標のひとつになっており、また2015年12月16日に開催された国際会議「新たな開発目標におけるユニバーサル・ヘルス・カバレッジ」では、安倍総理が2016年5月の伊勢志摩サミットにおいて保健を優先課題に取り上げることを表明している。