パキスタン向け円借款契約の調印:電力セクター改革実施の支援により人々の生活安定と経済成長を促進

2016年2月2日

署名式の様子

国際協力機構(JICA)は、2月2日、イスラマバードにてパキスタン政府との間で「電力セクター改革プログラム(II)」を対象とした50億円を限度とする円借款貸付契約に調印しました。

本借款が対象とする「電力セクター改革プログラム」は、パキスタンにおける電力セクター改革の促進を通じ、もって電力供給の安定化を実現するとともに、パキスタンの経済成長の促進に貢献することを目的としています。本借款は、(1)適切な電力料金とパキスタン政府からの補助金の設定、(2)発電コストの縮小、(3)情報の透明性の向上、という3つの柱に沿ってパキスタン政府が実施すべき改革項目を設定し、その達成に対して借款を供与する「開発政策借款」です。今回の借款供与は、パキスタン政府が改革項目を達成したことを受け、2014年6月に借款契約を調印した1期目に続き2期目として実施するものです。なお、本プログラムに対しては世界銀行及びアジア開発銀行も協調融資を行っています。

パキスタンは、約1億9000万人という世界第6位の人口を抱え、人口増加や経済活動の活発化などを背景に、近年、電力需要の20%以上が不足する深刻な電力不足に陥っており、日平均10時間半の計画停電が行われている地域もあります。工場の操業や商業活動に必要な電力が十分に供給できないため、民間投資や海外からの直接投資が減少し、経済活動の発展が阻害されており、電力不足が解消されれば年間GDPが約2〜3%増加するとみられています。

このような電力不足は、急激な電力需要の伸びに供給が追い付いていないことだけでなく、適切な電力料金が設定されていないことや、消費者による電力料金の未払い、送配電ロスなどによって、発電や電力供給に必要な費用が不足し、その結果、発電所が十分に稼働できていないことも大きな要因となっています。不足資金は一部政府からの補助金で賄われていますが、こうした補助金の支出が政府の財政を大きく圧迫しており、電力セクターの改革は経済・財政の両面からパキスタンの喫緊課題となっています。

JICAは、これまでパキスタンの電力セクターにおいて、発電所の建設や送変電設備の整備などのインフラ整備から、維持管理能力強化のための人材育成まで、様々な支援を実施してきました。現在も、パキスタンの電力セクター開発計画の策定や省エネルギー促進に関して、日本の知見を活用した技術支援を実施しています。

これら日本の支援により電力セクターの改革が進み、持続的で安定的な電力供給が実現されることで、人々の生活の安定に貢献するとともに、パキスタンの経済活動が活性化し、2億人規模の人口を有する巨大市場としてのパキスタンの魅力がさらに高まることが期待されます。

(参考)

1.借款金額及び条件

案件名 借款金額
(百万円)
金利
(%/年)
償還期間(年) 据置期間(年) 調達条件
本体 コンサルティング・サービス
電力セクター改革プログラム(II) 5,000 円LIBOR +10bp - 30 10 一般アンタイド

2.実施機関
財務省(Ministry of Finance, Revenue, Economic Affairs, Statistics and Privatization)
住所:Block”Q” Pak Secretariat, Islamabad, Pakistan

3.今後の実施スケジュール(予定)
(1)事業の完成予定時期:2016年2月(貸付完了時をもって事業完成)
(2)コンサルティング・サービス:
本事業においてはコンサルタント雇用を予定していません。
(3)本体工事に係る国際競争入札による最初の調達パッケージの入札公示:
本事業においては、入札を伴う工事は想定されていません。