北岡理事長がフィリピンを訪問: アキノ大統領ほか政府要人と会談、ミンダナオ紛争影響地域の支援事業を訪問し、平和の定着の重要性を再確認

2016年3月7日

アキノ大統領(右)と握手する北岡理事長(写真提供:Malacanang Photo Bureau)

北岡伸一JICA理事長は、3月1日から3月4日にかけてフィリピンを訪問し、ベニグノ・アキノ3世大統領と会談を行うとともに、ミンダナオ島にて実施中のJICA事業の起工式に出席しました。

北岡理事長は、3月4日にアキノ大統領と会談しました。大統領は、JICAのミンダナオ紛争影響地域支援に対する謝辞を述べ、ミンダナオの包括的和平合意が次期政権でも継続され早期に新自治政府の基本となるバンサモロ基本法が成立することの重要性を述べました。また、「南北通勤鉄道事業」、「新ボホール空港建設及び持続可能型環境保全事業」などに言及、持続的な成長の実現にあたり、インフラ整備の重要性を強調しました。

これに先立つ3月1日には、北岡理事長はミンダナオ島北コタバト州アラマダ町を訪問し、無償資金協力「ミンダナオ紛争影響地域コミュニティ開発計画」により整備・改修する道路の起工式典に出席しました。

ミンダナオの道路起工式典でスピーチを行う北岡理事長

本事業は、2015年5月にフィリピン共和国政府との間で合意されたもので、農村と市場を繋ぐ道路を整備・改修することにより、農産物の輸送効率の改善、農業開発の促進、また地域住民の通年交通の確保を通じて、住民の生活改善や生計向上を実現し、対象地域の貧困削減と平和の定着に資することを目指すものです。

また、対象道路が整備・改修されることにより、地域のムスリム、キリスト教徒および先住民族のコミュニティ等、近隣の集落間の行き来が増えるため、宗教を超えて平和的共存に寄与する包摂的な事業となることが期待されています。

北岡理事長は起工式にて、バンサモロ基本法の制定等の和平プロセスが困難に直面しているが、JICAは常に現地の人々に寄り添いながら、ミンダナオの平和の定着のための支援を続けると述べました。また、同式典に出席したバンサモロ開発庁のモハマド・ヤコブ事務局長は、本事業の起工を長く待ち望んでおり、この日を迎えられて「夢がかなった」(Dream comes true)と述べ、和平プロセスの維持と、新しい自治政府設立に向けた経済社会開発の推進に強くコミットしていく意向を述べました。

ジャーファーMILF副議長(前列右から二人目)と握手する北岡理事長(左。左から二人目はイクバルMILF和平交渉団長)

翌2日には、モロ・イスラム解放戦線(MILF)のジャーファー第一副議長およびムスリム・ミンダナオ自治政府のムジブ・ハタマン知事と個別に会談し、和平定着における課題や今後の支援の在り方について、意見交換を行いました。北岡理事長は、あらゆる紛争は武力ではなく交渉や法により解決されるべきであるが、ミンダナオの和平プロセスは武力によらない和平の実現に最も近いところにあることから世界に示すべき和解のモデルとなり得ると述べ、その実現に向けて、JICAは、平和の配当を早期に提供しつつ、引き続き最大限の支援を行っていくと述べました。

そのほか、北岡理事長は、フィリピン沿岸警備隊を訪れ、過去に供与した通信システムやブイテンダー(設標及び灯台見回り船)を視察し、日本政府による長年に亘る技術協力、有償資金協力、無償資金協力の3スキームを組み合わせた包括的な支援がフィリピン沿岸警備隊の海上保安能力強化に貢献していることを再確認しました。また、メトロマニラにおける都市交通事情を視察し、新たな鉄道インフラ整備の重要性を再認識しました。

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※ミンダナオの和平に関する経緯の詳細と日本政府の関与については以下の外務省HPをご参照ください。