ミャンマー向け技術協力プロジェクト討議議事録の署名:ミャンマー最大規模の灌漑地域で農民参加型水管理と営農強化を支援

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2019年12月25日

国際協力機構(JICA)は、12月24日、ネピドーにて、ミャンマー連邦共和国政府との間で、技術協力プロジェクト「水管理・営農指導改善プロジェクト」に関する討議議事録(Record of Discussions: R/D)に署名しました。

ミャンマーでは、国民の約6割が農業に従事し、GDPにおける農林水産業の割合は約3割を占めています。しかし、農業技術の開発や普及が十分でなく、例えば同国のコメの収量は3.79t/haと、周辺国(バングラデシュは4.34t /ha、ベトナムは5.54t/ha、インドネシアは5.15t/ha)(*1)よりも低くなっているなど、営農における課題が多くあります。

本案件は、ミャンマーで最大規模の約20万ヘクタールの灌漑農地を有するシュエボー地区に位置する6つの村落において、住民参加型の水管理活動、農業普及システムの改善、コメのバリューチェーンの改善、市場志向型の作物多様化の推進、および農家の経営管理能力の向上を行います。農民参加型の水管理団体の設立による安定的な水資源の確保や、シュエボー産のコメ品種である「シュエボーポーサン」の、ミャンマー初となる地理的表示(Geographical Indication:GI)(*2)の取得支援を通じ、収益性の向上を目指し、SDGs(持続可能な開発目標)ゴール1、2に貢献します。

*1  FAO、2017 FAOSTAT(http://www.fao.org/faostat/en/#home)より集計
*2 地域の伝統的な生産方法や気候・風土・土壌・品質などの特性を「地域ブランド」として、農作物や食品を登録すること

*2019年1月9日、ミャンマーのコメ収量を3.50t/haから3.79t/haに訂正しました。お詫び申し上げます。

案件の詳細は以下の通りです。

【案件基礎情報】
国名 ミャンマー連邦共和国
案件名 水管理・営農指導改善プロジェクト
実施予定期間 55カ月
実施機関 農業畜産灌漑省 農業局、農業畜産灌漑省 灌漑・水利用管理局
対象地域 ザガイン地域シュエボー灌漑地区に属する6つの村落(シュエボー、ウェトレット、キンウー、イエウ—、タゼ、タバイン)。このほか、水管理のコンポーネントについてのみ灌漑施設の上流部に位置するカンバル村落を対象地域に含む
具体的事業内容(予定) ・参加型水管理活動の実施
・農業普及システムの改善
・コメのバリューチェーンの改善
・市場志向型の作物多様化の推進
・農家の経営管理能力の向上