「COVID-19新興国中小零細企業支援ファンド」に対する出資契約の調印(海外投融資):コロナ影響下の中小零細企業をマイクロファイナンスにより支援

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2020年11月9日

国際協力機構(JICA)は、11月5日、開発途上国のマイクロファイナンス機関(MFI)への融資を行うファンド「COVID-19 Emerging & Frontier Markets MSME Support Fund」に対する出資契約に調印しました。本ファンドは、開発途上国における女性の金融アクセス改善を積極的に支援するインパクト投資ファンドマネージャーであるBlue Orchard Finance Ltd.(BOF)により運営され、JICAは最大3,500万米ドルを出資します。

新型コロナウィルス感染症(COVID-19)が開発途上国の中小零細企業(MSME)に及ぼす影響は大きく、事業基盤が脆弱な多くのMSMEにとって資金繰りが課題となっています。特に開発途上国の女性事業者は、従来から金融アクセスに乏しく、また男性と比較し低収入である傾向が高いため、COVID-19影響下で事業は一層不安定になっています。このような状況下、MSMEへの資金提供者として、開発途上国のMFIが果たす役割はますます大きくなっています。

本事業はファンドへの出資を通じて開発途上国のMFIへ融資を行い、MFIからMSMEへ金融サービスを提供することで、COVID-19影響下におけるMSMEの差し迫った資金需要に応えていくことを目指します。JICAからの資金はアジア地域のMFI向け融資に充てられる計画であり、第22回日・ASEAN首脳会議(2019年11月)で発表した「対ASEAN海外投融資イニシアティブ」のうち、「金融アクセスを改善し、女性・低所得者・中小零細企業等のエンパワーメントを目的とした同地域の金融機関への融資」に貢献します。

JICAは2016年以降、BOFが運営する「JAPAN ASEAN Women Empowerment Fund」に計6,000万米ドルの拠出を表明し、同ファンドを通じてアジア地域の約12万社の女性事業者を中心とするMSMEを支援しています(注1)。また、本ファンドは女性事業者を主な支援対象とするものとして、2018年6月のG7シャルルボワ・サミット(カナダ)にて発表された「G7 2Xチャレンジ:女性のためのファイナンス」イニシアティブに資する取り組みとして位置づけられます(注2)。さらに、本ファンドには米国開発金融公社(USDFC)や英国連邦開発公社(CDC)といった米・英の開発金融機関も参画を表明しており、日・米・英が連携してCOVID-19対策支援に取り組むものです。

JICAは今後も民間投資家や開発金融機関と連携しながら、開発途上国のMSME支援および女性のエンパワーメントに取り組んでいきます。

【本事業のスキーム図】

【画像】

(注1)

 

(注2)「G7 2Xチャレンジ:女性のためのファイナンス」イニシアティブは、G7各国の開発金融機関が、自らの資金提供を呼び水に民間の投資を促進することで、2020年までに30億ドルの資金を動員することを目指すものです。女性の企業家やビジネス・リーダーの育成、労働市場への参入促進といった女性の経済的なエンパワーメントを促進します。G7 2Xチャレンジは、女性への投資の量及び効果を倍増させる目標を掲げています。