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プレスリリース

フィリピンの貧困対策および環境保全に積極的支援

〜第24次円借款として546億4,200万円を供与〜

2001年5月30日

1. 本円借款の背景と必要性

1992年6月に成立したラモス政権下で順調な成長を遂げていたフィリピン経済は、1997年7月タイに端を発したアジア経済危機の影響で、1998年には成長率がマイナスに落ち込んだ。以後、同国経済は回復しつつあるものの、これを持続的なものとするには、同様の危機に耐え得る体制作りが急務である。また、同国では依然として多くの貧困層を抱え、都市・農村間の所得格差も拡大している。かかる状況を踏まえ、1999年9月にフィリピン政府は「中期開発計画(1999年〜2004年)」を発表し、「持続的な成長と社会的公平性の確保」を達成すべく、中心的開発課題として「インフラ開発」「農業開発」「社会開発・人材育成」「産業・サービス部門開発」「ガバナンスと組織開発」「マクロ経済の安定確保」を掲げた。

日本政府は1999年3月に経済協力総合調査団を派遣、上記の開発課題を踏まえた中長期的な支援重点分野・課題をフィリピン政府と合意した。本行はこれに基づき同年12月に「海外経済協力業務実施方針」を策定、(1)持続的成長のための経済体質の強化及び成長制約的要因の克服、(2)貧困緩和と地方間格差の是正、(3)防災を含む環境保全と防災対策(4)人材育成・制度造り、を重点分野として支援することとした。今回供与される円借款は同方針に合致したものである。

2. 借款金額および条件

案件名 金額
(百万円)
金利
(%/年)
償還期間(年)/
据置期間(年)
調達条件
本体 コンサル
ティング・
サービス
本体 コンサル
ティング・
サービス
本体 コンサル
ティング・
サービス
幹線道路網整備事業(V) 8,294 2.2 0.75** 30/10 40/10 一般
アンタイド
二国間
タイド
メトロマニラ立体交差建設事業(V) 5,543 2.2 0.75** 30/10 40/10 一般
アンタイド
二国間
タイド
幹線空港開発事業(II) 11,743 2.2 0.75** 30/10 40/10 一般
アンタイド
二国間
タイド
地方道路網整備事業(III) 6,205 2.2 0.75** 30/10 40/10 一般
アンタイド
二国間
タイド
カトゥビッグ農業総合開発事業 5,210 2.2 0.75** 30/10 40/10 一般
アンタイド
二国間
タイド
ミンダナオ持続的入植地開発事業 6,515 2.2 0.75** 30/10 40/10 一般
アンタイド
二国間
タイド
アグノ川洪水制御事業(II-B) 2,789 1.7* 0.75** 30/10 40/10 一般
アンタイド
二国間
タイド
ラオアグ川治水・砂防事業 6,309 1.7* 0.75** 30/10 40/10 一般
アンタイド
二国間
タイド
北部パラワン持続可能型環境保全事業 2,034 0.75** 0.75** 40/10 40/10 二国間
タイド
一般
アンタイド
合計 54,642

* 通常環境金利
**特別環境案件金利

3. 事業概要

(1) 幹線道路網整備事業(V)
Arterial Road Links Development Project (Phase V)

フィリピンにおいて道路交通は最大の輸送手段であり、旅客輸送の約9割、貨物輸送の約5割を担っている。このうち道路網の基幹となる幹線国道及び2級国道は、未舗装の道路が多く(舗装率:幹線国道71%、2級国道47%(1998年))、基幹道路として十分な機能が果せていない。また、自然災害による損傷、緊急時の代替路不足により交通効率が阻害される事態がしばしば発生している。したがって、国内の人的・物的交流を促進し、ひいては地方経済圏の活性化を図るためにも、安全かつ効率的な幹線道路ネットワークの整備が早急に必要とされている。
本事業は、5区間の道路整備事業で構成される((1)アルバイ州リガオ〜ピオデュラン道路(東西幹線道路)、(2)イロコスノルテ州パタパト高架橋(東西幹線道路)、(3)コルディレラ自治区スヨ〜セルバンテス〜マンカヤン〜アバタン道路およびセルバンテス〜サバンガン道路(東西幹線道路)、(4)サマール島カタルマン〜カルバヨグ道路(東西幹線道路)、(5)パナイ島東イロイロ〜カピス道路(島嶼周回幹線道路))。主要幹線国道のうち劣悪な状態にある複数の区間を整備することにより、当該区間周辺地域の旅客・貨物輸送の効率化と費用削減をもたらし、ひいては地方経済の持続的な経済社会開発に資することを目的としている。
借款資金は、上記の5区間の道路を対象とする道路舗装・橋梁の整備およびコンサルティングサービス(詳細設計、環境モニタリング、入札補助等)に充当される。

本事業の実施機関は、公共事業道路省(Department of Public Works and Highways(DPWH) 住所:Bonifacio Drive, Port Area, Manila, Philippines, TEL:63-2-304-3804, FAX:63-2-304-3805)である。

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(2) メトロマニラ立体交差建設事業(V)
Metro Manila Interchange Construction Project (Phase V)

マニラ首都圏(メトロマニラ)の道路網は6本の環状道路と10本の放射道路を中心に整備が進められてきた。しかし、交通の大半を道路に依存しているにもかかわらず(依存度98%)、人口増加や経済発展に伴う車両の増加に道路整備が追いつかず、渋滞が常態化しており(渋滞時の車両平均速度は約8km/時)、多大な経済的損失、排気ガスや騒音による環境の悪化、交通事故の多発など都市環境の悪化が深刻な問題となっている。それらの課題に対し、本行はこれまで、特に混雑が激しい主要交差点における立体交差建設を積極的に支援してきた。
本事業は、マニラ首都圏で特に重要かつ交通量の多い幹線道路であるEDSA (環状4号線)、その外側を取り巻く外環道路である環状5号線上の4交差点における立体交差建設、および同じく交通集中が激しい環状3号線および環状2号線上の4交差点における立体交差の詳細設計を行うものである。それにより、年々深刻化するマニラ首都圏における交通渋滞の緩和および道路交通機能の改善を図り、人・モノ・サービスの効率的な流れを促進するとともに、交通安全性の向上、沿道への大気汚染・騒音等の悪影響の軽減等を図ることで都市開発を促進することを目的としている。
借款資金は、立体交差建設及びコンサルティング・サービス(環境および交通マネジメント、詳細設計、入札補助等)に充当される。

事業実施機関は、公共事業道路省(Department of Public Works and Highways(DPWH), Urban Road Projects Office, 住所:2nd Street, Port Area, Manila, Philippines, TEL:63-2-304-6644, FAX:63-2-304-3872)である。

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(3) 幹線空港開発事業(II)
Selected Airports(Trunkline) Development Project (Phase II)

フィリピンでは、航空輸送の国内全輸送に占める割合はまだ相対的に小さいものの、堅調に増加している。航空輸送は、そのスピード・定時性・快適性等から経済発展の条件のひとつとして認識されており、7,000以上の島々からなる同国では、経済成長・所得向上に伴い、旅客・貨物両面において益々重要な役割を担うと見込まれている。今後、フィリピン政府は全国13のリージョンに少なくともひとつずつ国際標準(国際民間航空機関(ICAO)の標準)に合致した空港を整備したいとしており、国内旅客数上位空港から、順次、整備を行っている。
既存バコロド空港およびタクロバン空港はフィリピン中部ビサヤス地域に位置する代表的幹線空港であり、乗降旅客数では、それぞれ国内第5番目、第8番目の空港である(年間乗降旅客数は、それぞれ54万人、30万人(いずれも1997年))。この2空港の旅客輸送量および貨物輸送量の年間成長率は、92-97年でそれぞれ10.7%、4.7%(バコロド空港)および16.1%、13.2%(タクロバン空港)となっており、今後も同様の成長が見込まれている。
本事業は、上記の2空港を対象に、各々、新空港建設および拡張を行うことにより、増大する旅客・貨物需要に対応するとともに、航空サービスの安全性向上を図り、ひいてはネグロス島、レイテ島および周辺地域の持続的な経済社会開発に資することを目的としている。
借款資金は、滑走路や旅客ターミナル等の土木・建築工事、安全機器等の資機材調達、及びコンサルティング・サービス(環境マネジメント、入札補助等)に充当される。

事業実施機関は、運輸通信省(Department of Transportation and Communications(DOTC) 住所:The Columbia Tower, Ortigas Avenue, Mandaluyong City, Philippines, TEL:63-2-727-7960, FAX:63-2-727-1703)である。

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(4) 地方道路網整備事業(III)
Rural Road Network Development Project (Phase III)

フィリピンにおいて道路交通は最大の輸送手段であり、旅客輸送の約9割、貨物輸送の約5割を担っている。道路の現状をみると、国土全体で量的な側面では比較的よく整備されているが、未舗装道路が多い。その中には雨期になると通行不能となる程劣悪な状況のものもあり、さらに簡易な応急橋が多く残っているなど、地方においては安全かつ効率的な道路網が確保されているとは言い難い状況にある。このような地方道路網の質的向上が急務となっているが、これまでの道路整備事業は幹線国道網を中心として進められてきており、本事業が対象とする二級国道の整備は未だ不十分である。
本事業は、全国で計10区間において二級国道および戦略的道路の改良を行うことにより、当該道路周辺地域における安全かつ効率的な地方道路網を確保し、ひいては、地方経済の発展を促し、都市経済との格差是正に資することを目的としている。
借款資金は、道路舗装・橋梁の架け替え及びコンサルティング・サービス(詳細設計、環境モニタリング、入札補助、施工監理等)に充当される。

事業実施機関は、公共事業道路省(Department of Public Works and Highways(DPWH) 住所:Bonifacio Drive, Port Area, Manila, Philippines, TEL:63-2-304-3812, FAX:63-2-304-3810)である。

(事業事前評価表はこちら)

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(5) カトゥビッグ農業総合開発事業
Help For Catubig Agricultural Advancement Project

フィリピンでは、農業(林業・漁業を含む)はGDPの約2割、就労人口の4割以上を占める重要な産業である。しかしながら、主食である米の生産量は十分とはいえず、高い人口増加率もあって需要を満たしていない状況にある。またフィリピンでは、人口の約4割を占める貧困層の約3分の2が地方部の農・漁民であると言われており、国内の食糧を安定的に供給するためにも、また特に農村部での貧困軽減、都市部と地方農村部の格差是正のためにも、食糧増産・農民の生計向上が緊急かつ重要な課題となっている。
フィリピン中部ビサヤス地方サマール島の北サマール州は、フィリピンの中でも経済・社会開発の最も遅れた地域の一つであり、所得水準が全国平均の5割未満となっている。灌漑施設の未整備等が原因で作物収量は伸び悩んでおり、農民が経済状況が改善しないことから、灌漑施設等を整備することで農民の収入増加を図ることが求められている。加えて、上水道整備、国道・州道整備、住血吸虫病対策および農民組織等の組織開発を行うことにより、農民の居住環境・生活向上を図ることが緊急の課題となっている。
本事業は、北サマール州中東部のカトゥビッグ・バレーにおいて、灌漑施設整備を中心とする農村基盤整備を行い、同地域における農産物の増産、農民の生計向上、保健・衛生状態の改善に寄与することを目的としている。また地方分権の流れのなか、地方自治体が実施主体となる地域総合開発型事業として先駆的な事業であり、その観点からも実施意義は高いと考えられる。
借款資金は、灌漑施設・排水路整備、国道・州道整備、住血吸虫病対策、上水道整備、営農支援等とそのための資機材調達およびコンサルティング・サービス(詳細設計、農民組織の組織化支援、環境モニタリング支援等)に充当される。

主要な事業実施機関は、北サマール州政府(Provincial Government of Northern Samar 住所:2/f, New Capitol Building, Catarman, Northern Samar, Philippines, TEL:63-54-354-1278, FAX:63-55-354-1239)、国家灌漑公社(National Irrigation Administration(NIA) 住所:NIA Bldg. EDSA, Diliman, Quezon City, Philippines, TEL:63-2-929-6071, FAX:63-2-926-2846)、公共事業道路省(Department of Public Works and Highways (DPWH) 住所:Bonifacio Drive, Port Area, Manila, Philippines, TEL:63-2-527-4111, FAX:63-2-527-5635)である。

(事業事前評価表はこちら)

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(6) ミンダナオ持続的入植地開発事業
Mindanao Sustainable Settlement Area Development Project

フィリピンでは人口の約4割が貧困層に属し、うち約3分の2は土地無し農民などの地方貧困層に属している。また、農村の一部では、現在もなお封建的土地所有制度が残っており、地主と小作農民との所得格差は非常に大きい。フィリピン政府は農地改革省を通じ土地無し農民への土地配分や配分後の営農支援からなる農地改革を進めており、特に1988年以来、「総合農地改革計画(Comprehensive Agrarian Reform Program: CARP)」を遂行中である。同計画では、土地の配分だけでなく、土地配分を受けた農民が定着するための生産基盤整備、営農等の支援サービスの一層の充実が不可欠であり、農家の生産性向上および所得増加達成を図ることが重要な課題となっている。
本事業の対象となるミンダナオ島の入植地はほとんどが辺境地にあり、かつ丘陵・山岳地域が多い。多くの耕地は裸地状態にあり土壌流亡が発生している。このため、農業生産性は低く、米作以外の農業活動(換金作物や果樹の導入等)も重要となっている。また、道路等の基礎インフラが整備されていないため生産物や投入資材の輸送が困難であり、社会・教育インフラ整備も遅れている。以上を踏まえ、ミンダナオ島の地域特性に応じた総合的な受益農民支援策が急務となっている。
本事業は、ミンダナオ島の入植地に居住する農民に対して、農業生産に必要な基礎インフラ、社会インフラ、営農支援サービス、教育・保健サービス等の総合的支援を行うと共に、農民の組織化支援、地方自治体強化を行うことによって、農業生産性の改善および農家の生計向上、ひいてはミンダナオ島の貧困緩和と持続的発展に貢献することを目的としている。
借款資金は、灌漑施設や農道、収穫後処理施設等の基礎インフラ整備、営農支援、環境保全、バランガイ診療所および学校の建設・改修、そのための資機材調達、およびコンサルティング・サービス(詳細設計、農民組織および地方自治体の組織強化、環境モニタリング、入札補助、施工管理等)に充当される。

主要な事業実施機関は、農地改革省 (Department of Agrarian Reform (DAR) 住所: Elliptical Road, Diliman, Quezon City, Philippines, TEL:63-2-926-1667, FAX:63-2-926-8961)、国家灌漑公社 (National Irrigation Administration (NIA) 住所: NIA Bldg. EDSA, Diliman, Quezon City, Philippines, TEL:63-2-929-6071, FAX:63-2-926-2846)、公共事業道路省(Department of Public Works and Highways (DPWH) 住所:Bonifacio Drive, Port Area, Manila, Philippines, TEL: 63-2-527-4111, FAX:63-2-527-5635)である。

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(7) アグノ川洪水制御事業(II-B)
Agno River Flood Control Project (Phase II-B)

フィリピンは、毎年太平洋で発生する台風約30個のうち約20個が同国に接近、うち約10個が上陸するほか、火山噴火や地震が多発するなど、厳しい地理的、気象条件に晒されている。これに加え、洪水の被害をうけやすい低平地に市街地が発達するといった社会・経済条件もあいまって、雨季には著しい洪水・土砂災害を頻繁に被っており、年平均の被害は、金額にしてGNPの約0.4%、死者数も貧困層を中心に800人強にのぼる。このような被害はフィリピンの社会・経済の発展にとって深刻な阻害要因であり、着実な洪水・土砂災害対策が必要である。
ルソン島中部に位置する広大なパンガシナン平野を流れ、リンガエン湾に注ぐアグノ川はフィリピン第5位の河川(流域面積5,952km2、日本の阿武隈川流域に相当)である。約133万人の人々が住み主として農耕用に利用されている同平野は、毎年の台風や集中豪雨により常襲的な洪水被害に悩まされている。加えて、南方に位置するピナツボ火山噴火による泥流の堆積で河床が上昇し、洪水被害をより受け易くなっている。
本事業は、フィリピン・ルソン島中部のパンガシナン、タルラック両州を流れるアグノ川中流部を対象に、分流堰・放水路の建設、堤防の建設および修復、橋梁の建築、および移転住民再定住地の整備を支援することにより、同河川流域における洪水被害の軽減を図り、ひいては当該地域の生活環境・衛生状態の向上と地元経済の発展に資することを目的としている。
借款資金は、洪水制御および再定住地の整備に係る土木工事、およびコンサルティング・サービス(基礎調査・設計、入札補助等)に充当される。

事業実施機関は、公共事業道路省(Department of Public Works and Highways (DPWH) 住所:Bonifacio Drive, Port Area, Manila, Philippines, TEL:63-2-304-3813, FAX:63-2-304-3752)である。

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(8) ラオアグ川治水・砂防事業
The Laoag River Basin Flood Control and Sabo Project

フィリピンは、毎年太平洋で発生する台風が同国に接近・上陸するほか、火山噴火や地震が多発するなど、厳しい地理的、気象条件に晒されている。これに加え、洪水の被害を受けやすい低平地に市街地が発達するといった社会・経済条件もあいまって、雨季には著しい洪水・土砂災害を頻繁に被っている。このような被害はフィリピンの社会・経済の発展にとって深刻な阻害要因であり、着実な洪水・土砂災害対策が必要である。
ルソン島北部イロコスノルテ州を流れるラオアグ川は、フィリピンの主要河川のひとつであり、流域面積は1,332km2、その広さは日本の大井川流域(1,240 km2)に相当する。同流域は、毎年のように台風による洪水および土砂流入の被害を受けており、特にイロコスノルテ州の主要産業を担う農地への被害は大きく、過去20年間で1,000haの農地が失われている。このような状況下、緊急措置として堤防を建設・改修するなどの対策が講じられてきているが、問題解決には至っておらず、総合的な洪水制御への取組みが緊急の課題となっている。
本事業は、ルソン島北部イロコスノルテ州のラオアグ川において、砂防ダムの建設、堤防の建設および修復、および水制工の建設を行うことにより、ラオアグ川流域における洪水被害の軽減を図り、ひいては生活環境・衛生状態の向上と経済社会開発に資することを目的としている。
借款資金は、砂防ダムおよび洪水制御に係る土木工事、およびコンサルティング・サービス(詳細設計、環境マネジメント等)に充当される。

事業実施機関は、公共事業道路省(Department of Public Works and Highways (DPWH) 住所:Bonifacio Drive, Port Area, Manila, Philippines, TEL:63-2-304-3813, FAX:63-2-304-3752)である。

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(9) 北部パラワン持続的可能型環境保全事業
Sustainable Environmental Manage Project in Northern Palawan

フィリピン国は、陸上、海洋ともに豊富な自然資源に恵まれている。しかしながら、近年、無秩序な開発により森林破壊やさんご礁の死滅といった生態系の劣化が進んでいる。この状況を踏まえ、同国政府は環境保全を重要な課題として位置づけている。悪化した自然環境を修復し、これを維持していくためには、単に法令等による開発規制や、地元住民の意向を反映していない政府主導の措置だけでは不十分であり、意識啓発や代替生計手段の提供、生活改善指導等を行いつつ、関係住民の意向を十分に反映させた措置を講ずることが重要な課題となっている。
本事業対象地であるパラワン州北部地域はフィリピンで「最後の秘境」と言われており、さんご礁、熱帯雨林、ジュゴン等の豊かな自然環境と希少な生物を有する貴重な地域である。しかし、海上においてはダイナマイト等を使った違法な破壊的漁業が行われ、貴重なさんご礁の破壊が続いており、陸上においても同様に違法な森林伐採が行われ、生態系の悪化、土壌流出を招いている。土壌流出は、劣悪な道路表面からも発生しており、陸域の生態系および沿岸地域の海洋生物に大きな被害を与えている。このような状況は資源の質の低下を生み出すため、住民はこれまでと同量の収穫を得ようとして従来以上の乱獲を重ね、最終的には資源の枯渇による一層の貧困拡大を招くおそれがある。このため、このような貴重な環境・生態系を保護し、自然資源の持続的な利用を可能なものにすることが緊急の課題となっている。
本事業は、フィリピン国パラワン州北部地域において、ECANゾーニング(環境地図)の策定、土壌流出防止工事、およびエコツーリズム振興を実施することにより、同地域の貴重な環境・生態系の保全を図ることを目的としている。
借款資金は、土壌流出防止工事、調査用・土木工事用の資機材調達およびコンサルティング・サービス(ECANマップの作成およびそのための実施能力・体制強化、エコツーリズム実施に係る基準およびガイドラインの策定、土木工事の詳細設計等)に充当される。

本事業の実施機関は、観光省(Department of Tourism (DOT) 住所:T.F. Valencia Circle, T.M. Kalaw St., Rizal Park, Manila, Philippines, TEL:63-2-523-1930, FAX:63-2-526-7545)、パラワン持続可能型開発評議会事務局(Palawan Council for Sustainable Development Staff: (PCSDS) 住所:Provincial Agricultural Center, Irawan, Puerto Princesa City, P. O. Box No. 45, PPC, 5300 Palawan, TEL&FAX:63-48-433-2698)、および公共事業道路省(Department of Public Works and Highways (DPWH) 住所:Bonifacio Drive, Port Area, Manila, Philippines, TEL:63-2-527-4111, FAX:63-2-527-5635)である。

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